マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ〜第3回 楽曲分析、解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ』の分析、解説です。

坂本文郎プロフィール

【練習番号C〜D】
・23小節目と25小節目のClarinet 3・Trumpet 3の後打ちのリズムは、Flute 1も重なっているため強調される可能性がありますので控えめに演奏する方が良いでしょう。

・24小節目・1拍目裏の低音のC音は、跳躍進行のため流れを悪くする可能性があります。ユニゾンなのでスリム化した方が良いと思われます。

・26小節目・3拍目裏からのメロディは、下のパートの人数が少なくなりますのでバランスの調整が必要です。
さらにTrumpetも加わった29小節目は下のパートがTrumpet 2のみとなりここはそれまで以上にバランス調整をしなければならないでしょう。

・27〜28小節目のAlto Saxophone 2とTenor Saxophoneは、再び音程が取りにくい音になっていますので注意ですね。

29小節目3拍目でG音を演奏しているのはTrombone 3のみです。
F音との7度のぶつかりもありますので補強した方が良いでしょう。

30(8)小節目にある2分音符と8分音符のタイの音型でG音はAlto Saxophone 2しかありませんのでバランス調整が必要です。

・30(8)小節目3拍目の8分音符は音の処理(終わらせ方)が重要です。低音の8分音符のラスト3つの音に被らないように心がけてください。

 

【練習番号D〜E】
・メロディは1小節目だけがユニゾンで2小節目以降は2声になっていますので、音量が落ちたと感じさせないように合奏練習で工夫して演奏してください。2声に分かれた途端に、実質的にメロディを演奏している人数は減ってしまいます。

・Trombone・Hornだけが3和音の形になっていますので、メロディや対旋律とのバランスが大切になります。

・対旋律のAlto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの音量はそれほど心配しなくてもよいように思いますが、メロディを追いかけるFlute・Piccoloは音量が心配です。

・35小節目はメロディが3声になり、次の小節ではユニゾンになりますので、メロディラインの聴こえ方に注意を払う必要があります。

・35&36小節目の3拍目は、低音部を除くとTromboneだけが発音していますので、はっきりと3和音を聴かせる必要があるでしょう。
3拍目は2分音符ですが、ここで発音があるのはTromboneを除くと対旋律だけです。
ここのTromboneの発音をはっきりさせて、和声感を出したいものです。

・37小節目は全員が同じリズムですので和声感を出したいところです。
しかしかなり密集形になっています。特に最初の2拍は、Trombone 2の音をできるだけppにした方が良い響きが得られると考えます。

37小節目3拍目の和音でE音を鳴らしているのはTrombone 1だけですのでバランス調整(補強)が必要だと思います。

38(8)小節目4拍目はでA音を演奏しているのはAlto Saxophone 1とHorn 1のみです。バランス調整が必要だと感じます。
・39小節目(Trio)・1拍目の8分音符でD音はAlto Saxophone 2・Trumpet 1・Trombone 1です。SaxophoneやTromboneよりもTrumpetを意識されることで響きが良くなると思います。D音が埋もれないか心配です。

40小節目(Trio)3拍目のD音はTrumpet 2のみが演奏になりますので、バランスが注意ですね。その前の付点2分音符の延ばしのパートにはD音がありませんので、このパートの存在感は重要です。
さらに4
拍目のHrn・EupのアウフタクトはD音でスタートしています。ここはD音に注目して、丁寧に合わせてください。

 

【練習番号E〜F】
・Ob・Clの下行形の旋律の動きとHorn・Euphoniumの上行形の動きはできる限り等しい音量(バランス)に揃えた方が良いでしょう。
それぞれユニゾンですので、Flute・Piccoloの2声の動きとTromboneの3声のリズムは和声感をしっかり出せるようにしてください。
・最初の4小節(41〜44小節)のcrescは5小節目の到達点がmfになっていますので、やり過ぎないようにするためには1小節単位のcrescを心掛けると良いでしょう。
制御の効いたcrescにするためには、4小節目4拍目のHorn・EuphoniumのD音が明確に聴こえることを目安にしてください。

45小節目・4拍目Trombone 2のC音と46小節目・4拍目Trombone 3のB音と47小節目・4拍目Trombone 2のB音は、他のパートでは演奏していない単独の音になります。しっかり鳴らして3声の形が取れるようにしてください。

・47小節目3〜4拍目のHorn・Euphoniumのシンコペーションは、スラーなので甘くなりがちですので3拍目裏のG音の4分音符を少し強調した方が良いと思われます。

・48(8)小節目のTrumpetはcon sord、Tromboneはsenza sordです。
それぞれ3つのパートのバランス、TrumpetとTromboneのバランスも考えなければなりません。
気に入る音になるまで2つのパートをしっかり指導してください。

 

【練習番号F〜G】
・メロディはOboe・Clarinet・Saxophoneと多数で演奏され、Flute・Piccoloの8分音符の動きはメロディが2分音符で動きがない時です。
3、4拍目のメロディの4分音符と交互に動きがありますので、それぞれの細かい動きが共に浮き出てくるよう工夫する必要があります。
均等なcrescだけを意識するとこの効果が出にくいと思われますので、この2パートで合わせて良好な音を追及してください。

・51小節目の低音パートのFis音は和声的に重要な音になり、低音部はこの音に向かってcrescしていくと良いでしょう。

・52小節目3拍目裏のFluteのB音は、他パート(低音の2分音符を除く)が休みの間に奏されます。木管の音がかぶさらないように終わり方に気を付けましょう。

・52小節目4拍目の木管の4分音符には1拍だけのcrescがあります。無理にcrescするのではなく、タイになっているFlute・Piccoloは53小節目・2拍目の音が、Oboe・Clarinet・Saxophoneは53小節目1拍目のmfの音が前の音より強くなっている感覚でよいでしょう。
4拍目のSDの3連符は、はっきり目立つようにしたいので邪魔にならないようにしましょう。

全体として厚いオーケストレーションで書かれたユニゾンのメロディです。
メロディ対するTromboneやHorn・Euphoniumの3和音のバランスを考えなくてはなりません。
特に53、24小節目のHorn・Euphoniumは3拍目が同じ2分音符になりますので、メロディと違う音を吹く2パートはしっかり音を出す必要があるでしょう。

・54、55小節目にあるcrescとdecrescですが、特にTromboneとSnere Drumは1拍単位で音量の変化が出せるように練習しましょう。

・55小節目2拍目からのHorn・Euphoniumはメロディの音量に負けないようにバランスを調整しましょう。

・57小節目は特に和声感を出したいところですね。2分音符の動きでは、3拍目のHorn 3が唯一E音を吹いています。他のパートに負けてしまわないように配慮してください。

・57小節目では細かい動きでも和声感に気を付けなければいけません。
Flute・PiccoloがユニゾンなのにTrumpet 2、3は和声的な動きになっており、特に2ndは1stとユニゾンの部分と和声的な部分の両方があります。
和声的に聴こえるよう、バランス調整に気を配ってください。

・58小節目の金管楽器はリズムに重たさを感じさせてしまいますので、テンポが遅くなってしまうかもしれません。
4つ目の16分音符が特に重たさを感じさせる原因になります。スリム化した方が良いと思われます。

・58小節目4拍目のメロディのアウフタクトは目立つのですが、Snare Drumのロールは聴こえにくいかもしれませんので、はっきり聴こえるようにバランス調整してください。

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古き森の戦記〜第4回 楽曲分析、解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。

坂本文郎プロフィール※掲載内容の無断転載、商業利用はお止めください。

【練習番号G〜H】
・61〜64小節は、金管低音の和音の上でHorn・TrumpetのSoloとTimpaniが掛け合う形になっています。Timpaniの音の粒がクリアに聴こえるように注意してください。

65小節目のD音、7小節目のCis音はAlto Clarinetにしかありません。フォロー必須です。

・69小節目に入るとEs音とF音が錯綜します。バランスが壊れないように慎重に演奏してください。

・72小節目はAs・C・D・Fisと音の種類が多い中、2拍目からのTrumpetだけがC音のユニゾンになっています。音がきつくなり過ぎないよう注意が必要です。

 

【練習番号H〜I】
・最初の4分音符は、H音がAlto Clarinet・Alto Saxophone 2・Horn 2だけです。
Alto Clarinetがない場合、弱くなりすぎるかもしれませんのでバランスに注意が必要です。

・75小節目アウフタクトからClarinetがユニゾンで入ってきます。
それに対してSaxophoneは和音の形なので、貧弱になっていないか注意した方が良いと思います。
その後7小節目2拍目からClarinet 3だけが3度下を奏し2分割になりますので、少し厚くして和音のバランスを取った方が良いと思います。

80小節目4拍目の金管群でAs音を吹くのははHorn 1のみです。最初はAlto Saxophone 1にもAsがあるのでいいのですが、延ばしている間のバランスが心配です。

・83〜85小節目は、Flute&Oboe、Clarinet、Saxophoneがそれぞれユニゾンの形で演奏されているのに対し、HornとTrombone 1&2のパートだけが4声で書かれています。このパートは多少強調した方が良いと思われます。

・86小節目からの8分音符の刻みは、Bass ClarinetのAsとEuphoniumのCだけが和音を構成しており、他のパートはすべてF音ですんで、和声的に動けるようにバランス調整してください。

・86小節目からSaxophone、Horn⇒Clarinet⇒Tromboneの追いかけるような動きですが、それぞれアクセントがついている16分音符とその後の8分音符のユニゾンは乱暴になりがちで音程を合わせるのが困難です。アクセントにとらわれ過ぎないで丁寧に整えた方が良いと思います。

 

【練習番号I〜J】
・Clarinetはユニゾンと2声が交互に現れます。2声の時はClarinet 3の人数が少ないと思われますのでバランスの調整が必要です。

・95小節目4拍目からの金管の和音はC音が中心です。
G音はHorn 2とTrombone 2、Es音はHorn3,4の2パートですが、Horn 1のAs音は1パートだけです。同様に99小節目はHorn 2のEs音が単独音になっていますので和声のバランスに注意が必要です。

・100小節目3拍目の2分音符、Clarinetはユニゾンの形、Alto Saxophoneはユニゾンから2声、Horn&Tromboneでは、Horn 1が単独のAs音になっています。

以上、第4回の「古き森の戦記」楽曲分析でした。
次回が最終回となります。

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コンサート・マーチ「虹色の未来へ」〜第3回 楽曲分析、解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『コンサート・マーチ「虹色の未来へ」』の分析編です。
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【練習番号F〜G】
・49〜52小節の4小節は良いかもしれませんが、53小節目のアウフタクトからFlute・Oboeが加わると和音でリズムを刻んでいるHornとバランスが取れないかもしれません。

・56小節目のTrumpetは2声に分かれています。2声を3パートで吹きますので上下のバランスに注意が必要です。

 

【練習番号G〜H】
・数多いユニゾンのメロディーにAlto Clarinet・Tenoe Saxophone・Horn・Euphoniumの副旋律。この2パートに対し和音があるのはTrbだけです。
(練習番号C〜Dの部分と同じですね。)
またPiccoloはしっかりこの上を舞うような感じで聴こえる必要があります。バランス調整が必要です。

・58、60小節目のPiccoloのトリルは、最後の部分をそれぞれD音、Es音で終わらせると良いと思います。

 

【練習番号H〜I】
・ここの部分もSaxophone・Horn・Euphnium、後から追いかけるClarinet・Trumpetのユニゾンに対し、和音はTromboneと低音だけです。丁度良いバランスを試してみてください。

・65小節目のFlute・Piccolo・Oboeのトリルは記譜されているC音ではなくD音を最終音にしてください。そして次のC音を発音しやすくしましょう。

・68小節目の1,2拍目は全員同じリズムです。
の4分音符のEs音はTrombone 3しかありません。2拍目頭の8分音符はDes音はTrombone 1のみです。2拍目裏の最後の音に至ってはC音がTrombone 1のみ、Es音はTrombone 3のみです。あとは全員As音です。
工夫して和音を作る必要があります。

・67、69、70小節目のAlto Clarinet・ Saxophone・Hornによるグリッサンドは、曖昧なままではなく楽譜にして合わせた方が良いでしょう。
私なら5連符にします。そうすることで3拍目のアクセントを明確に演奏することができると思います。

・69小節目はまた和音を作るのがTrombone・Euphoniumのみです。
バランス調整をしてください。

・69、70小節目のFlute・Piccolo・Oboeのトリルも最後に8分音符があると考えてEs音で終わらる形がよいと思います。

・71小節目の3拍目裏から8分音符が連続しています。
72小節目頭の和音に向けて解決させることが大切です。
最初の3つの音はB音を、72小節目頭はG音を調整した方が明るい響きが出せるでしょう。
低音域から中音域のこれらの音は抜いた方が良いと思います。

・72小節目の3連符の動きは、2,3拍目が2声に、4拍目は3声に分かれていることを理解しておいてください。
(例えば2,3拍目はTrumpetとClarinet 1,2は同じ音です。思い切って2ndパートを抜いておくと和音がスッキリするのではないかと思います。Flute・Piccolo・Oboeも同じ音ですので。)

・73小節目のFlute・Piccolo・Oboeのトリルは、これまで同様最後の8分音符を意識してEs音で終わらせた方がよいと思います。

・73小節目の全音符は、Es音が多すぎるように思います。Des音はTrombone 1しかありません。Des音を意識した和音作りをしてください。

 

コンサート・マーチ「虹色の未来へ」第4回 楽曲分析をお楽しみに

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吹奏楽のための「ワルツ」〜第3回 楽曲分析、解説

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『吹奏楽のための「ワルツ」』の分析編です。
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【練習番号3~4】
・メロディー(Flute・Piccolo・Oboe・Clarinet)、対旋律(Trumpet 3・Horn) 、アルペジオ(Alto Clarinet・Saxophone・Euphonium)、低音の付点2分音符がそれぞれユニゾンです。特にメロディーは人数も多いので、少し人数を削ってでも音程を整えた方が良いでしょう。
アルペジオパート以外は音量のチェックをして、弱すぎるパートがないように調整してください。
アルペジオは若干弱くてもいいのですが、これらのユニゾンに対するTrombone 1,2の和音が消えてしまわないように注意してください。

・アルペジオパートの低い音域はAlto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphonium、高い音域はAlto Saxophone 1,2 が受け持っています。
流れるようなアルペジオにしたいのですが、3種の楽器の低音部と同一音色の高音部をつなげるのは大変難しいと思います。このパートだけ取り上げて練習した方が良いでしょう。

・56小節目と57小節目1拍目は、メロディーと対旋律がユニゾンになります。
強くなりすぎないか、前後と対比して考えてください。

・56〜59小節は、分散していたアルペジオパートが合同してオクターヴになるため、かなり音量が大きく(厚く)なるでしょう。
リズム系だったTrombone 1,2は低音部と一緒に和声を作りますが、57小節目2拍目からのTrumpet 3・Hornの対旋律と共に、バランスが弱くならないか心配されるところです。

・練習番号3からはTimpaniとSnare Drumで作るリズムのバランスが懸念されるところです。
Snare Drumは音量だけなら対抗できるかもしれませんが、突出するとTimpaniとのバランスが悪くなります。
特に62小節目2拍目の裏から63小節目頭のTimpaniのcrescとSnare Drumの装飾音は目立たせたいと考えます。

・63小節目頭の8分音符の和音は四声になっています。
特にF音が薄く(Trumpet 1とTrombone 1のみ)B音が厚くなっています。
響き作りに注意してください。また3拍目はC音しかありません。音程に注意が必要です。

・64小節目の3拍目は、低音のC音が鳴っているところにA音・Es音・Ges音・D音が鳴る形です。
音程や響きに注意しなければいけませんが、D音のパートが躊躇してしまうと良い響きが得られません。

67小節目からのritは68小節目から3つ振りにすることで表現しやすくなるでしょう。8分音符を正確にそろえてください。
また68小節目3拍目はClarinet 2とTrumpetの終わるタイミングを合わせて、FluteとClarinet 1しか音が残らないように気を付けてください。

 

【練習番号4~5】
・ここから1つ振りに戻しましょう。正確に元の速さに戻るようにしてください。

70小節目からは吹いているのが5人のみになります。
mpの表記はありますが、合奏が貧弱にならないよう気を付けてください。
特に67小節目からのdecrescendoが練習番号4(70小節目)からの音量を導いていけるように注意を払ってください。

・84小節目(練習番号5の1小節前)の入りが難しいと思います。
貧弱に入ってもいけませんが、5人の音量とのつなぎを考えた入り方に気を付けてください。

・練習番号4から練習番号5までは11小節になっています。1つ振りをする場合、4拍子が3回と3拍子が1回というとらえ方をするとよいでしょう。

 

第4回の楽曲分析をお楽しみに!

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マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ〜第2回 楽曲分析、解説

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ』の分析、解説です。

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【練習番号C〜D】
・23小節目と25小節目のClarinet 3・Trumpet 3の後打ちのリズムは、Flute 1も重なっているため強調される可能性があります。控えめに演奏する方が良いでしょう。

・24小節目 1拍目裏の低音のC音は、跳躍進行のため流れを悪くする可能性があります。ユニゾンなのでスリム化した方が良いと思われます。

・26小節目3拍目裏からのメロディは下のパートの人数が少なくなりますので、バランスの調整が必要です。
さらにTrumpetも加わった29小節目は下のパートがTrumpet 2のみとなりますので、これで以上にバランス調整をしなければならないでしょう。

・27〜28小節目のAlto Saxophone 2とTenor Saxophoneは、再び音程が取りにくい音になっています。入れ替えた方が美しく響くと思われます。

29小節目3拍目でG音を演奏しているのはTrombone 3のみです。
→F音との7度のぶつかりもありますので補強した方が良いでしょう。

・30小節目にある2分音符と8分音符のタイの音型ですが、G音はAlto Saxophone 2しかありませんのでバランス調整が必要です。

・30小節目3拍目の8分音符は音の処理(終わらせ方)が重要なり、低音ラインの8分音符のラスト3つの音に被らないように心がけてください。

 

【練習番号D〜E】
・メロディは1小節目だけがユニゾンで2小節目以降は2声になっています。
音量が落ちたと感じさせないように工夫して演奏してください。
2声に分かれた途端に、実質的にメロディを演奏している人数は減ってしまいます。

・Trombone・Hornだけが3和音の形になっていますので、メロディや対旋律とのバランスが大切になります。

・対旋律のAlto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの音量はそれほど心配しなくてもよいように思いますが、メロディを追いかけるFlute・Piccoloは音量が心配です。

・35小節目はメロディが3声になり、次の小節ではユニゾンになります。
ここもメロディラインの聴こえ方に注意を払う必要があります。

・35&36小節目の3拍目は、低音部を除くとTromboneだけが発音しています。
はっきりと3和音を聴かせる必要があるでしょう。
3拍目は2分音符ですが、ここで発音があるのはTromboneを除くと対旋律だけです。
ここのTromboneの発音をはっきりさせて、和声感を出したいものです。

・37小節目は全員が同じリズムですので和声感を出したいところです。
しかしかなり密集形になっていますので、最初の2拍はTrombone 2の音をできるだけ
ppにした方が良い響きが得られると考えます。

37小節目3拍目の和音でE音を鳴らしているのはTrombone 1だけです。
バランス調整(補強)が必要だと思います。

38小節目4拍目はでA音を演奏しているのはAlto Saxophone 1とHorn 1のみです。
バランス調整が必要だと感じます。

・39小節目(Trio) 1拍目の8分音符でD音はAlto Saxophone 2・Trumpet 1・Trombone 1です。SaxophoneやTromboneよりもTrumpetを意識されることで響きが良くなると思います。D音が埋もれないか心配です。

40小節目(Trio)3拍目のD音はTrumpet 2のみが演奏しています。
その前の付点2分音符の延ばしのパートにはD音がありませんので、このパートの存在感は重要です。
さらに4拍目のHorn・EuphoniumのアウフタクトはD音でスタートしています。
ここはD音に注目して、丁寧に合わせてください。

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古き森の戦記〜第3回 楽曲分析、解説

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の第3回の分析・解説です。
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【練習番号D〜E〜F】
・36小節目の2拍目はOboeのメロディーとClarinetが、4拍目はClarinet 1,2が半音でぶつかります。音量のバランスに細心の注意が必要です。

37小節目の1拍目のClarinet 2のB音は単独です。G音は多いのでバランスを考えてください。

38、39小節目のAlto Clarinetの音(動き)は他のパートになく、しかもClarinet 3と2重奏になっていますのでAlto Clarinetがない場合はフォローが必須です。

・38、39小節目のSus Cymbalは特にdecrescendoの表現が大切です。

・40小節目〜60節目(練習番号G)までのTimpaniとSnare Drumの掛け合いは音をいかにクリアにするかが重要です。
Solo楽器は別ですが、それ以外の楽器が邪魔をすることがないようにバランスを取ってください。

・45小節目(E4小節目)のFlute 1,2& Piccoloは3重奏の動きで、5小節目はH音にまとまります。
同じくTromboneも最初は3和音で2拍目はH音にまとまります。まとまった最後の音(H音)が強調されないように気を付けてください。

47、48小節目(E7〜8小節)のFlute 2は単独の動きです。音域が低いため埋もれてしまう可能性が高いと思われますので注意が必要です。

 

【練習番号F〜G】
・46小節目からFlute、Oboe、Clarinetの動きとAlto Saxophone・Hornの動きがそれぞれユニゾンです。それに対して53小節目からはTrombone、Euphoniumは2声に分かれています。貧弱にならないように気を付けてください。

・55小節目の4拍目のF音は、木管には多いのですが、金管ではHorn 1のみです。
ここは響きがしっかり作られたうえでTimpaniの細かい動きが浮き上がってくれば成功と考えてください。

・59小節目の和音は慎重に合わせてください。
→Clarinet 2,3のF音とSaxophoneのEsのバランス。
→Trumpet 1,2、Flute、Oboe、Clarinet 1のC音とTrumpet 3、Horn 1,2のB音のバランス。
またdim.の後、60小節目の4拍目にC音とF音が多数になりバランスに注意したいです。

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マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ〜第1回 楽曲分析〜

お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ』の分析編です。

坂本文郎プロフィール

※掲載内容の無断転載、商業利用はお止めください。

作曲者のコメントの中に、「対旋律が複数現れる箇所では、それぞれの旋律の意味を理解しどのようにバランスをとるかに十分な配慮が必要でしょう。」という言葉がありました。
確かにこの曲は全体的にバランスをいかに取るかがポイントになります。それは対旋律が現れる箇所に限らず、終始一貫して考えなければならないであろうと思われますので、バランスを中心に、部分的に述べていきます。

【冒頭~A】
・1&2小節はFlute・Piccolo・Clarinetのトリル含みのパートとSaxophone・Trumpet・Hornのメロディはともにユニゾンで、Trombone・Euphonium・Tuba他低音のシンコペーションが3和音になっている構造です。
この和音もC音が多い中、Trombone 1のE音とTrombone 3のG音は単独の音です。
いかに和声感を出すかが課題です。

・同じく1,2小節のトリルのパートには4拍目の裏に8分休符があります。この休みがTrumpet等の16分音符の動きに被らないように注意しなければなりません。

・3小節目2拍目から低音を除いて同じリズムになっています。大半のH音から始まるパートに対して、Gis音から始まるのはFlute 2・Clarinet 3・Trumpet 3・Horn 1・Trombone 3と少なめで、F音の連続はTrombone 1だけです。Trombone 1には音量のあるメンバーを配置した方が良いでしょう。

・3〜4小節の16分音符を含んだリズムのパートが大変多いのが気になります。
和音が進行する形になっているのですが、このように全員で細かいリズムを和声進行の形にするとテンポを維持するのが難しくなります。
(テンポが同じであっても、かなり重たく感じるでしょう。)
対処法で有効なのは、16分音符を間引いてスリムにすることです。特に4小節目2拍目裏の16分音符はできるだけスリムにした方が良いと思われます。

・4小節目のTrombone 2はかなり和声感を重たくします。できるだけppで演奏するか、思い切ってカットした方が良いかもしれません。

・5,6小節目のAlto Saxophone 2とTenor Saxophoneはともに音程に難のある音ですね。入れ替えたら合わせやすくなると思うのですが…。

・6小節目4拍目はC音のみになります。音程には十分注意を払いましょう。

・Flute・Piccolo・ClarinetのパートとXylophone、Saxophone・Trumpet・HornとSnare Drumの縦のライン合わせは、繰り返し練習しましょう。ズレると目立ってしまいます。

 

【練習番号A〜Bまで】
・7〜12小節はメロディがユニゾン、HornとTromboneが3和音になっており、全体の音が薄い部分だけにバランスに気を付けましょう。

・12小節目4拍目は減三和音になっています。均等なバランスだと響きやすいのですが、D音とH音が多い中でF音はTenor SaxophoneとTrombone 3しかありませんのでバランス調整が必要でしょう。

・13小節目1・2拍目はトリルを除く全てのパートが同じリズムです。
軽やかに演奏するためにはバランスが大切ですが、特に真ん中の4分音符はA音が多すぎます。
Trombone 2の音域のAは特に目立たないようにしたいものです。
またタイになっている最後の音は、D音がTenor SaxophoneとHorn 1&3しかありません。C音もClarinet 3とTrumpet 3のみです。F音が強すぎると、せっかくの2度のぶつかりが印象薄くなりますので気を付けてください。

・13小節目3・4拍目の8分音符の動きはD音⇒F音⇒A音の動きがほとんどで、D音の連続はClarinet 3とTrumpet 3 しかありませんのでバランス調整をしましょう。

・14小節目最初の3つの8分音符は、同じ音が連続するパートの3和音を大切にしてください。特に1拍目裏の音は、動きのあるパートのFis音がぶつかりますので和声をまず響かせる練習をした方が良いでしょう。

・14小節目3拍目からのdecrescendoは丁寧に練習をして、4拍目のC音をはっきり浮き上がらせるようにしましょう。

 

【連取番号B〜C】
・15〜20小節は、メロディが多数の楽器でのユニゾンと、Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの対旋律、低音の頭打ちにHornの後打ちとTromboneが和声を作っている構造です。
メロディと対旋律のバランスも大切ですが、Horn・Tromboneの和声感が埋もれてしまわないよう注意してください。
・20小節目4拍目から全員が同じリズムになり、かなり重たく感じると思いますのでスリム化をお薦めします。
バランスは、D音から始まるパートがかなり多いのに対して、Gis音スタートはHorn 1のみ、F音スタートはTrombone 3のみになり、一つ一つバランス調整の必要があるでしょう。

・22小節目の2分音符と8分音符のタイのパートは、早めの減衰が効果的だと思います。
TrumpetとTromboneのリズムを浮き立たせるようにしましょう。
このパートがしっかり聴こえることでタイのパートの音の終わりとTrumpet・Tromboneの終わり方が揃えやすくなります。

第2回の楽曲分析をお楽しみに!!
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コンサート・マーチ「虹色の未来へ」〜第2回 楽曲分析

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『コンサート・マーチ「虹色の未来へ」』の分析編です。

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【練習番号B〜C】
・メロディーはユニゾンになります。
後打ちのHornと17小節目のTrumpetだけが和声的に作られていますので、Trpumpetはミュートを使うので和音がしっかりと聴こえるか確認してください。

 

【練習番号C〜D】
・メロディーは若干厚めになり、Oboe・Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの副旋律、Hornだけの音型もユニゾンで始まります。
Tromboneの後打ちだけが和音になっていますので和声的な響きが出るように気を付けた方が良いでしょう。

・副旋律(Oboe・Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphonium)では、Oboeの音色が浮いてしまう可能性があります。
(Alto Clarinetがない場合はClarinetを一人回した方が良いと思います。)
またOboeがない場合、Oboeと同音域の音がなくなり同じ動きはオクターヴ下の音だけになってしまいます。(ミュート付きのTrumpetやClarinetでフォローするのはNGになるのでしょうか?)

・22小節目からメロディーが2声に分かれますのでClarinet 3とTrumpet 3の音量小さすぎないようにバランスを取りましょう。

・22、23小節目のFlute・Piccolo・E♭ Clarinetのトリルは、トリルを終わらせる音を同じにし、タイミングを揃えた方が良いでしょう。
→22小節目はD音で23小節目はE音で終わらせ、タイミングは4拍目裏に揃えるのが落ち着くと思われます。

 

【練習番号D〜E】
・今度は金管群と低音がメロディーで、木管群は和音でリズムを刻んでいます。
木管群のリズムは広い音域で和音を作っていますので、重たい響きになっているように思います。
→26、27小節目のClarinet 3とAlto Saxophone 2
→28小節目のClarint 2とAlto Saxophone 1
→29小節目のClarinet 1とTenor Saxophone
同じ音を高音に任せてかなり抑えるか思い切って抜いてしまう方が良いかもしれません。

・30小節目からのClarinetは音程に難がある部分で動いています。
※この部分は合奏レッスンで解決出来ますので、お声がけください。

・30小節目からの4小節間は、TambourineとTriangleのPercussionの音色の違いが浮き立つようにしたいです。

・34、35小節のClarinet 3とAlto Saxophone 2、36小節目のClarinet 2とAlto Saxophone 1も抑えた方が良いと思います。

・37小節目1,2拍目のD音と3,4拍目のC音は、Alto SaxophoneやClarinetの音を押さえた方が響きやすいと思います。

・38小節目1,2拍目のTrombone 2とHorn 3のC音と3拍目のTrombone 1・Euphonium・Horn 1 のD音も抑えた方が良いでしょう。

・38小節目3拍目は、Flute・Piccolo・E♭ Clarinet・Glockenspielのトリルの終わり、2分音符⇒8分のタイの終わり、Timpaniのロール⇒装飾音⇒8分を丁寧にそろえる練習をしてください。

 

【練習番号E〜F】
・Flute・Piccolo・Oboe・E♭ Clarinet・B♭ Clarinet・Trumpetと多数のメロディーに対し、副旋律はAlto Clarinet・Tenor Saxophone・Horn・Euphoniumです。
バランスだけでも音量を揃えていかなければなりませんが、和音を持ってリズムを作っているのがTromboneしかありませんのでバランス的にはかなり調整が必要と思います。

・46小節目の3拍目裏からの8分音符3つは、3和音に分かれて動いています。
G⇒As⇒Bの動きは全体を重たくすると思いますので、抑えめにするか思い切って吹かないという選択も考えたほうが良いかと思います。

・Trio 1小節目(47小節目)の1拍目は和音が密集形になりすぎます。(明るい響きにするためには低いC音を抑えるか、カットした方が良いかもしれません。)

・Trio 2小節目(48小節目)のFlute・Piccolo・Oboeのトリルは4拍目裏にAs音で終わらせると整理できた音の処理ができるでしょう。
コンサート・マーチ「虹色の未来へ」第3回 楽曲分析をお楽しみに!!

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古き森の戦記〜第2回 楽曲分析

お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。

坂本文郎プロフィール

※掲載内容の無断転載、商業利用はお止めください。

【練習番号A〜B】
・9小節目からの8分音符の刻みはF音が多すぎます。
逆にAs音はBass Clarinetだけですのでバランスに気を付けてください。
また14小節目1拍目でG音を出しているのはAlto Clarinetだけですので確認が必要です。

・13小節目からのAlto Saxophone 2のF音、Tenor SaxophoneのC音が多くなっています。
 (NGですが。。。この部分の音を入れ替ええると容易に音程が取れると思いますが。。。)

・10小節目からのメロディは、HornのユニゾンとTrombone 1&2との和音に、14小節目からはTrumpetのユニゾンとHorn、Tromboneの和音によるという構成です。
16小節目は木管群が加わります。どの程度メロディを際立たせたいのか試しながらバランスをとる必要があります。

・Clarinetは14小節目からユニゾンで始まり16小節目2拍目から3声に分かれます。
Clarinet 1とE♭ ClarinetはFlute・Oboe・Trumpetと同じ音で人数も多いですので、Clarinet 2&3の音量が必要になります。
この部分はClarinet 2&3が少し厚くなるようバランスをとりましょう。

・17小節目の和音の中でD音はClarinet 2とHorn 2しかありません。
またC⇒Hと動くパートはClarinet 3とHorn4のみですが、G音を吹くパートが多すぎるように感じます。

 

【練習番号B〜C】
・18〜21小節目のAlto Cl.の8分音符の動きは、他に演奏している音(楽器)がありませんのでフォローが必須になります。
この他、T.SaxophoneのG→Fis の動き、Bass Cl.のEs→Dの動きも単独です。少し大きめの音でないと和音が作られないでしょう。

・19、21小節目のTrumpetとTromboneは低い音からの跳躍の動きということを考えるとユニゾンで音程を合わせるのが困難ですので、工夫が必要と思います。

・19、21小節目のClarinet 3は単独の動きです。埋もれてしまわないように注意が必要です。

・19、21小節目のEuphoniumとPercussionのクレッシェンドは、Euphoniumで表現するのは難しいかもしれません困難ですのでPercussionを際立たせた方が良いと思われます。

・22〜25小節目のSaxophoneとHornの3連符は他の木管やTrombone、Euphonium等の動きと同じ音ですので、きついタンギング(アタック)にならないよう注意が必要です。

・25小節目のTrumpetは8分音符の低いC音が難しいですね。分けて演奏するのも一つの方法かもしれません。

 

【練習番号C〜D】
・26小節目からのTrumpet・Horn・Euphonium・Tuba・Contrabass・Timpaniで刻まれるリズムはF音が多い中で、C、As音との和音になります。バランスに気を付けましょう。
ただし26小節目の3拍目はリズムパートの和音にG音が奏されますので、Asとの音のぶつかりに気を付ける必要があります。

・29小節目は多数のGやF音の中、Horn 2&4のCが少なすぎる印象があります。

・29小節目3拍目付点4分と8分休符で書いてあるパート(Trumpet 1,2、Horn、Trombone 1,2、Euphonium)があります。
このC音は4拍目から入る木管のCと重なることが意識されていると思われます。

・30小節目の2&3拍目のAlto Saxophone 2のC音は多数のH音とぶつかります。高音で伸ばしているFlute・PiccoloもC音です。
Fl奏者はそれほど違和感を感じないと思いますが、Alto Saxophone 2は吹きにくいと思います。音は抑えるか、思い切ってカットした方が響きが良くなるかもしれません。

・34小節目は突然A音のユニゾンになります。ここでは濁らない音が必須ですので、調整をしてください。

・34小節目の4拍目からのTrumpet とTromboneですが、Trombone 3だけA音を奏しています。バランスに気を付けてください。

・35小節目の3拍目から低音の動きは、decrescendoの表現とアーティキュレーションが難しくなります。(4拍目裏から人を減らすのは一つの方法かもしれませんね。)

※古き森の戦記〜第3回 楽曲分析をお楽しみに!!

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吹奏楽のための「ワルツ」〜第2回 楽曲分析

お待たせしました。

坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『吹奏楽のための「ワルツ」』の分析編です。

※掲載内容の無断転載、商業利用はお止めください。

坂本文郎プロフィール

【練習番号1~2】
・19小節目からの12小節間(19〜30小節間)は4小節ずつの小動機に分かれています。
1つ振りですから4拍子を3回振ってください。
4拍子で振ることで音楽に流れと区切りが生まれるでしょう。

・19小節目からの12小節間(19〜30小節間)はメロディーのユニゾンが多数です。
低音の頭打ち、Hornの和声的なリズムとのバランスが難しいでしょう。
ユニゾンは音程をしっかり合わせる必要がありますので、合わない音は削る勇気が必要です。

・30小節目は、いきなり和声的な付点2分音符があります。
B音がかなり多いと思います。まずEuphonium・Trombone・Hornの和音を美しく作ってください。
その中でTrombone 3のE音は響きを殺す原因になる可能性がありますので、場合によっては抜いてしまう選択が有効になるかもしれません。
Horn 3のE音は強めの音が必要でしょう。
SaxophoneとClarinet 2,3とVibraphoneは、31小節目の頭のB音に向かって動きます。
31小節目の頭でB音が強調されるという形が良いと思います。

・31小節目2拍目からのユニゾンは十分に注意を払いましょう。
音程に加え、オクターヴのバランスにも注意してください。

・31小節目から3小節間は3つ振りにした方が良いでしょう。
その後、34小節目のa tempoから1つ振りに戻します。
→Tromboneと低音のアルペジオの1つ振り状態でのテンポを作ります。
meno mosso⇒accel⇒a tempoと自由に自然なテンポ感を作る事ができます。
※実際の合奏練習で指導する事も可能です。

 

【練習番号2~3】
・35小節目(練習番号2の1小節前)からの木管の8分音符の動きは三声に分かれておりバランスの調整が必要です。
例えばE♭ Clarinetがない場合、36小節目のFlute 1と37小節目のFlute 2の音は、Fluteのみになりますので注意してください。
3和音としてしっかり響きがあるのかどうか細かくチェックする必要があるでしょう。

・36小節目からのHornとEuphoniumで奏されるタイの音型はユニゾンですので、音程とオクターヴのバランスに注意してください。

・43〜45小節間は三声の8分音符がFlute・Oboe・Clarinetのみになりユニゾンのパートがかなり増えます。
音程の合わせにくいC音でもありますので、音程とバランスの調整はより慎重になってください。
ユニゾンと和音パートとのバランスも36〜42小節間とのバランスと比較しながら注意深く進めて欲しいと思います。

・45小節目頭の8分音符は四声になっていますので、この音だけ取り上げて、響きの確認をした方が良いでしょう。

第3回の楽曲分析をお楽しみに!

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