坂本文郎氏による2019年 吹奏楽コンクール課題曲 分析・解説

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坂本文郎氏による2019年度 吹奏楽コンクール課題曲の楽曲分析をお届けいたします。
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2019年 吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ.「道標の先に」~第4回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅳ.行進曲「道標の先に」の分析、解説です。

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練習番号J(143小節目)~練習番号K(158小節目)まで

・メロディラインはアウフタクト(練習番号Iの16小節目)がB音とF音の2音から始まり、その次の音と練習番号Jの冒頭の音だけが3声になっています。ここだけ弱い印象にならないよう気を付けてください。またメロディの2声部分はClarinetもTrumpetも上の音の人数が多いので、バランス調整してください。

・メロディラインは練習番号Jの8小節目(150小節目)の4拍目から3声に代わります。練習番号J全体はほとんどが4声以上の和音の連続ですので、メロディに含まれない音が手薄になっています。練習番号J全体でHornの和音をチェックしてください。単独で1パートしか演奏していない音が多数あります。それを探して響きの練習をすることが大切だと思います。

・練習番号Jの3小節目(145小節目)の1拍目の低音群のA音を強調してください。低音の支えが必要です。しかし4拍目はEuphonium・Trombone・Trumpet.3・Alto Saxophone.2・Clarinet.3で演奏され、強すぎると思います。

・練習番号Jの5小節目(147小節目)3~5拍目はメロディの上のパートのA音とHorn.3・Trombone・Euphonium・Tenor Saxophoneで奏されるB音のぶつかりが気になります。どの程度の強さがより不快感を感じさせないのか、調整してください。

・練習番号Jの5、6小節目(147、148小節目)のFlute・Piccolo・Es Clarinetの装飾音は、4分休符と16分音符にすると揃いやすいと思います。

・練習番号Jの12小節目(154小節目)の3拍目のClarinet.2・Trumpet.2のF音は少なすぎます。補強をした方が良いでしょう。

・練習番号Jの14小節目(156小節目)の1拍目のHorn.2・4のB音も少なすぎます。同時に奏されるC音の音量に近づけて、次の小節のA音への解決を明確にしてください。

・練習番号Jの15小節目(157小節目)のClarinet.2・Alto Saxophone.2・Trumpet.2のB音は同じ形のF音に比べ少ないようです。バランスを近づけてください。そしてB音を補強すると、1・3拍目のHorn.3のC音は他に音がありませんので、より補強が必要になります。

練習番号K(159小節目)~練習番号L(174小節目)まで

・木管のトリルの処理、和音の中のHornの単独音の洗い出しなど、やらなければならないことはほとんど練習番号J部分と同じです。

・練習番号Kの6、10小節目(164小節目、168小節目)のFlute・Piccolo・Es Clarinetのトリルは次に休符があります。練習番号Iのトリルと同様の処理をしてください。

・練習番号Kの15小節目(173小節目)の1拍目はB音が多すぎます。D音とF音とのバランスを取れるように調整しましょう。また、低音のみが4分音符になっている点も気を付けてください。和音の後、低音のB音だけが残る設定です。

練習番号L(175小節目)~最後まで

・練習番号L の1、3小節目(175小節目、177小節目)の1拍目は、装飾音の後とその前からある4声の和音の解決する瞬間が一致しなければなりません。十分に練習しましょう。

・練習番号Lの2、3小節(176小節目、177小節目)のHorn.3の音は、このパートだけ単独です。同様に、3・4小節目(177小節目、178小節目)のTrp2のおとも単独です。

・練習番号Lの4小節目(178小節目)の4拍目からのHorn.2・4とTromboneの音はHorn.1・3やTrombone.1・3、Euphonium、Tuba、Contrabassの音に上下を挟まれていて、人数もかなり少なくなります。同様の問題が、1小節後(179小節目)から始まるFlute.2・Clarinet.2・Alto Saxophone.1・Trumpet.2にも当てはまり、練習番号Lの7小節目(181小節目)からは両者が合流します。バランスの調整に十分に気を付けてください。

・練習番号Lの9小節目(183小節目)の1拍目はF音が少ないと思います。バランス調整が必要です。

・練習番号Lの9、10小節(183小節目、184小節目)の終わりの4つの音は、全部が3声になっている点が理解できないところです。最初の3つの音はB音のバランスをかなり強くして、最後の音で和声感を持たせるか、その全く逆の終わり方にするか、いずれにしても同じ和音が4つ並んでいる形にしない方が終始感を得られると思います。

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2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」~第4回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」の分析、解説です。

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練習番号I(113小節目)~練習番号K(132小節)まで

・練習番号Iの1~4小節(113~116小節)のメロディラインは、2と4小節目がユニゾン(Trpだけは2声)で1と3小節目は3声になっています。ユニゾン部分は人数調整をした方が強調され過ぎないでしょう。

・練習番号Iの1~4小節(113~116小節)のTrombone・Euphoniumと低音の和声は、低音部の順次進行が主役になるようにバランス調整してください。

・練習番号Iの2、4小節(114、116小節目)は、メロディのユニゾンに対してHorn・Saxophoneは2声に分かれています。メロディの人数が多いので、和声感がなくならないようにバランス調整しましょう。

・練習番号Iの2小節目(114小節目)のTrumpet.1はメロディパートから離れて和音を構成しています。4小節目(116小節目)のOboe・Clarinet.1も同様です。この二つのパートの印象が同じになるようにしてください。

・順次進行で動いた低音パートは練習番号Iの5小節目(117小節目)でB音に行き着きます。到達したB音のまま練習番号Kまでその音が連続します。この間、メロディラインもTromboneのリズムも3声を続けます。3声の厚みが続く中、B音だけは全く動きがありません。ここは逆にB音を意識しましょう。ずっと保たれながら聴こえてくる印象が欲しいところです。練習番号Jに来るとTrumpetがB音を補強します。B音ではありませんが、1小節遅れてHornもユニゾンで加わってきます。練習番号Jの5小節目(129小節目)になると、このHornの動きにTrumpetが歩調を合わせます。練習番号Jの6小節目(130小節目)の2拍目からHorn・Trumpetは3声に分かれたパートと同化していきます。和声よりユニゾンを中心に音作りするのがこの部分だと思います。

・練習番号Jの7小節目(131小節目)から始まる管楽器のcrescを大切にしてください。132小節目にPercussionがcrescに加わることを意識しておいてください。Percは弱く入りすぎて加わった印象が薄くならないように気を付けましょう。

練習番号K(133小節目)~L(148小節目)まで

・前の小節から続くcrescの結果としてKではfになります。メロディラインの多くのパートは2声で入りますが、Trumpet、Flute、Oboeだけはユニゾンになっています。このTrumpet、Flute、Oboeと練習番号Lの2小節目(134小節目)からのTrombone、Euphoniumに対応しています。このグループは抜け出して聴こえるようにしてください。Trumpetは練習番号Kの3小節目(135小節目)の2拍目にFluteは練習番号Kの5小節目(177小節目)から2声に分かれますが、Trombone・Euphoniumは7小節目(139小節目)までユニゾンです。これらのユニゾン部分を表に出し、2声、3声に分かれた部分をブレンドさせていくような展開が大切だと思われます。

・練習番号Kの8小節目(140小節目)の1拍目は、Tromboneも3声になりますので、B♭の和声の響きを十分に表現してください。2拍目はB♭音のみのユニゾンになりますので、響き⇒ユニゾンのコントラストを強調してください。

・練習番号Kの9小節目(141小節目)は、A♭の和音の上にE♭の和音が乗るという、今まで構成音が少ない展開で進んできた中での突然の5声になります。次の小節も4声です。響きはA♭とE♭やFmの和音を別々に合わせて、グループ同士を重ねる方法が作りやすいでしょう。響きで推移しますので、より8小節目(140小節目)の2拍目のユニゾンが鍵になります。

・練習番号Kの8小節目(140小節目)のSus Cymbalだけのcrescにも注意しましょう。動きはSus Cymalだけですし、その後のBass Drum・Timpaniの装飾音もクリアにすることで演奏にキレが生まれると思います。

・練習番号Kの9小節目(141小節目)からの突然の多声部の和声の中で、ユニゾンで動くHornも目立たせるようにしてください。

・練習番号Kの10小節目(142小節目)の2拍目裏は、AsとC音に比べF音が特に多くなっています。

・練習番号Kの11小節目(143小節目)からのメロディ群は2拍目にSaxophone以外は2声になっています。Saxophoneだけが3声です。またG音はAlto Saxophne.2だけです。同じ小節で2分音符の動きもG音はTrombone.2にしかありません。複雑だった和声がシンプルな響きに変化する場所ですから、G音のバランスに気を付けて響きを作ってください。

・練習番号Kの12小節目(144小節目)にcrescがあるのはSnare Drumだけです。変化がはっきりと聴こえるように演奏してください。

・練習番号Kの13小節目(145小節目)の1拍目はEsとG音しかありません。拍の裏でHorn.3がB音を奏します。2声の厚い響きに1パートだけで3声目を出しますので、響きを感じるための練習が必要だと思います。

・練習番号Kの14小節目(146小節目)は再び複雑な和音構成になります。D・Es・F音が同時に鳴りますので、全体の響きを作ることは難しくなりますが、それでもメロディラインは2声であり、Trombone・Euphoniumはユニゾンです。15小節目(147小節目)にTrombone・Euphoniumも低音部に加わり、かなり厚いユニゾンになる中、他のパートはB音とD音のみの2声の構造です。Trumpet.2のF音でようやく3声を形成している形です。なるべくこのパートが聴こえるよう増強して方が良いでしょう。

練習番号L(149小節目)~練習番号M(164小節目)まで

・練習番号Lの1小節目(149小節目)の1拍目、大半の楽器がEs音を鳴らす中、G音でスタートするのはFlute.2とClarine.3 だけです。Clarinetはできるだけ多くの人数をClarine.3に集めるなどの工夫をした方が良いでしょう。後打ちではありますが、Horn.3は1パートだけB音を奏しています。可能な限り増強するとともにEs音から始まるパートの人数調整をした方が良いでしょう。(練習②)

・練習番号Lの2小節目(150小節目)からのTrombone・Euphoniumはユニゾンでメロディラインを追いかけています。この2つの要素に音量の差が出ないよう気を付けてください。

・練習番号Lの3~6小節(151小節目~154小節目)は、3声の協和音の連続になっています。ここで確実に響きを作りましょう。練習番号L前の不協和音とこの協和音の対比が重要になります。

・練習番号Lの6小節目(154小節目)は再び4声になります。G音とAs音がぶつかり、2拍目の裏は突然G音のユニゾンになります。コントラストを明確に表現してください。

・練習番号Lの7~15小節目(155小節目~163小節目)のメロディラインは、2声とユニゾンが交錯します。メロディの音量に差が出ると流れが失われますので、練習①で人数調整をした方が良いと思われます。

・練習番号Lの8小節目(156小節目)の音量変化はTriglのcrescだけです。表現はかなり難しいと思われます。2拍目は4声になることと、Snare Drumのロールが加わりますので、特に1拍目のcrescを大切にしてください。

・練習番号Lの10小節目(158小節目)は、メロディがユニゾンになる(かなり多い)にも関わらず、特に後打ちの和音で多声の音楽を作っています。ここをしのぐと11小節目(159小節目)から響きやすい和音が連続します。しっかり和声の響きが聴こえるようにしてください。

・練習番号Lの15小節目(163小節目)の2拍目はEs音⇒D音の流れを重要視してください。和声の他の音は固定されていますので、変化はD音だけになります。

練習番号M~最後まで

・メロディラインは、最初がユニゾン、練習番号Mの3小節目(166小節目)の2拍目で2声に、直後の4小節目(167小節目)で3声になっています。練習①を活用してください。

・練習番号Mの2小節目(165小節目)の2拍目の属7の和声を示すAs音は、メロディのユニゾンに負けないようしっかり鳴らしてください。特にHorn1&3の音が重要です。

・練習番号Mの3小節目(166小節目)のcrescはTimpaniとSus Cymbalだけです。このcrescが表現されるようにするには、勢いだけでffを奏しない方が良いと思われます。

・練習番号Mの5小節目(168小節目)の1拍目のF⇒Es音の変化もしっかり奏しましょう。変化はこのパートだけです。

・練習番号Mの5小節目(168小節目)の2拍目裏のAs音から6小節目(169小節目)冒頭のG音への変化も重要視してください。この曲最後の和声の解決音になります。

・最後の音はEs音のみです。とにかく音程を揃えることが重要です。たとえばAlto Saxophone.2など、音程を揃えることが困難な音は抜く(Tenor Saxophoneで同じ音を奏している)のも一つの方法です。

・最後の音は、Percの前打音をしっかり揃えて強調し、曲の終わりを演出しましょう。

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2019年吹奏楽コンクール課題曲Ⅱマーチ「エイプリル・リーフ」~第4回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅱマーチ「エイプリル・リーフ」の分析、解説です。
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Point.7その他

①1,2小節目のTromboneの和音は1stのF音がトリルと被ります。2nd・3rdの音量を強めにしてください。

②冒頭のHornは、特に1小節目4拍目のCが聴こえにくくなるでしょう。

③3小節目の木管の16分音符は、最後の音だけ2分割されます。下のB音はやはり聴こえにくいと思います。そして上下のパートとも、4小節目の冒頭はアクセントをスラーの形にせずに表現するのが難しいでしょう。うまくいかなければ、3小節目を休ませるメンバーが4小節目の頭から入ってくるのも一つの方法かもしれません。

④4小節目3拍目頭でほとんどのメンバーの音が終わります。次のClarinet・Saxophoneのユニゾンと音が重ならないように気を付けましょう。

⑤練習番号Aの1,5小節目(5小節目、9小節目)や練習番号Bの1小節目(13小節目)、練習番号Fの1小節目(33小節目)には主旋律パートに装飾音があります。ユニゾンのため全員に書かれていますが、無理をする必要はありません。苦手な奏者からは装飾を省いた方が、整理された演奏になると思います。

⑥練習番号Aの4小節目(8小節目)の主旋律にスタッカートがあります。この音の後はアクセントになっています。スタッカートを休ませる奏者を作ることで、アクセントが表現しやすくなります。

⑦練習番号Aの7小節目(11小節目)のHornはClarinet・Saxophoneのcrescendoに飲み込まれないように気を付けてください。

⑧練習番号Aの8小節目(12小節目)頭の8分音符と練習番号Bのアウフタクトの間にTrumpetが入っています。Trumpetの部分は他の楽器が重なりません。クリアに分かれるよう、気を付けてください。

⑨練習番号Cの1小節前(20小節目)の2分音符と8分音符のタイは、Tromboneのリズムと同時に終わるように練習してください。その後の低音のメロディと被らないようになります。

⑩練習番号Cは全体的に低音のメロディとのバランスに気を付けてください。軽やかな和音のリズムになって、低音のメロディが力強く聴こえればいいのだと思います。

⑪練習番号Cの3小節目(23小節目)のリズムパートですが、Es音が特に薄く(OboeとClarinet.1だけ)なっています。しっかり和音を作るには、例えばClarinet.2やClarinet.3の人数を一人だけにして、残りの全員で1stを演奏するなどの方法があります。

⑫練習番号Dの1小節目(25小節目)でC音を奏しているのはHorn.3のみです。特に1拍目裏の4分音符ははっきり音を出してください。

⑬練習番号DのTromboneは弱奏ですが、しっかり和声を主張してほしいところです。

⑭練習番号Dの4小節目(28小節目)の4拍目のC音はHorn.3とTrombone.1しかいません。Trombone.1が他パートよりもcrescendoを広げるように奏すると和声がしっかり支えられるでしょう。

⑮練習番号Eの1小節目(29小節目)と2小節目(30小節目)の2拍目頭は、副旋律と頭打ちのパートしか奏していません。特に1小節目はF音しかありません。こういう一瞬にクリアなサウンドが見えてきます。

⑯練習番号Eの3小節目(31小節目)のcrescendoは主に3,4拍目で掛けてください。Hornのグリッサンドを聴いてから、思い切りcrescendoをかける意識で良いと思います。

⑰練習番号Eの4小節目(32小節目)の最後の音から主旋律は2分割になっています。ここで和音になった印象が強くなるはずです。しかし、この最後の部分でB音を奏しているのはTrombone.2だけです。2nd奏者にその点を伝えて、意識して音を出してもらうようにしましょう。

⑱Trioと練習番号Gは、特にバランスが重要です。静かなイメージをしっかり表現して、途中で現れるTromboneの和声が魅力的に響くようにしてください。特に2分音符や4分音符の動きが明確に聴こえると良いでしょう。

⑲練習番号Hの1小節前(58小節目)は、mfとmpが混在します。mpスタートのパートがcrescendoによって増強し、練習番号Hで同じくらいのバランスになると考えました。

⑳練習番号Hは全体的に分厚い構造の中で、主旋律がユニゾンから始まり8小節目(66小節目)で2声となり12小節目(70小節目)からは再びユニゾンになって増強されるようになっています。ただTromboneが後打ちで和音を作っているという構造は変わりませんので、特に12小節目(70小節目)以降、和声感が薄れないように練習してください。

㉑練習番号Jの1~2小節(79~80小節目)でHorn.1がEs⇒F⇒G音と動きます。Horn.2、
Horn.3とAlto Saxophone.2、Tenoe Saxophneは同じ動きでHorn.1のみが単独です。メロディを支える形になっていますので、メロディパートと一緒に練習する必要があると思います。

㉒練習番号Jの2小節目(80小節目)の3拍目裏からの8分音符の動きですが、B音⇒C音と動くパートがHorn.2とEuphoniumだけです。和音のバランスに気を付けましょう。

㉓練習番号Jの3小節目(81小節目)の1拍目裏のTromboneの音が抜けるようにしたいものです。そのためには、8分音符で終わるパートの音が残らないことと、トリルの音に負けない音量が必要です。

㉔練習番号Jの4小節目(82小節目)の1拍目のTrombone.2とHorn.2のA音は和声の響きを重たくするでしょう。あまりfでは吹かない方が良いと思われます。

㉕練習番号Jの4小節目(82小節目)のFlute、Piccolo、Es Clarinetのトリルは絶対に次の小節に被らないようにしてください。トリルの最後をF音にして4拍目裏くらいで終わらせるのが無難かもしれません。

㉖練習番号Jの4小節目(82小節目)の2拍目と4拍目のTrombone.1のEsと4拍目のHorn.3のC音はそうしているのがパートだけです。パート人数を超える場合は、ここに補強をするのが賢明です。

㉗練習番号Lの5小節目(99小節目)のAlto Saxophone、Trumpet、Tromboneの和声の中で、Trumpet.2とTrombone.2のC音の人数が少ないと考えられるので、バランスを重視してください。

㉘練習番号Mの1小節目(100小節目)のTrombone.1のD音と2小節目(101小節目)のTrombone.3のF音(2拍目裏まで)の音が薄いようです。できれば補強してください。

㉙練習番号Mの4小節目(103小節目)の3拍目頭は勢いで演奏してしまいがちです。この3拍目はTenor Saxophone、Trumpet.3,Trombone.3のB音からA音への移動が重要です。3拍目を揃える練習を繰り返し、この移動が明確に聴こえるかどうか確認してください。

㉚練習番号Mの5~6小節目(104~105小節目)のTrombone.2は響きを重たくします。軽く吹く程度で良いと思われます。

㉛曲のラストはB音のみです。音程重視の上で力強さを出さなければなりません。人数を絞るのも一案かと考えます。

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2019年度 吹奏楽コンクール 課題曲Ⅰ「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲~第4回・楽曲分析・解説

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練習番号J(120小節目)~K(133小節目)まで

・練習番号Jは最もPercussionの活躍する部分です。練習番号J の5小節目(124小節目)からの低音のメロディもありますが、まずはPercussionのアンサンブルを作り、その上にメロディを乗せるくらいの感覚でJの音楽を構成すると良いと思います。

・練習番号J の1~4小節間(120小節~123小節)はAlto Clarinetが絶対に必要だと思います。「B・C・Es・F」という4声をClarinet群の音色だけで作るためです。この和音は「BとEs」と「CとF」の2つの完全4度で構成されていると考えるのが良いのではないかと思います。Alto Saxophoneは「BとF」になっています。和音の外側を重ねているのだと考えます。それに対するClarinetは、4音が全てあった方がより良いバランスになると考えます。

・練習番号J の5~10小節(124小節~129小節)の低音のメロディは、昔を懐かしむような回帰シーンの印象があります。歌い方を揃えた方が良いでしょう。

・練習番号J の11~14小節(130小節~133小節)は、練習番号Bの1小節前から3小節目までと基本的には同じです。注意点も前述の部分を参照してください。B前後と違うのは、14小節目のTromboneがない点とdecrescがかかっている点です。B前後と比較しながら練習して、その違いができているかどうか確認してください。Bの4小節目の最初がsffzなのとKの冒頭がmfになっていることが、この違いの原因になっています。次の音楽の違いに自然に入れているかどうかを検証してください。

練習番号K(134小節目)~練習番号L(149小節目)まで

・練習番号K の1~8小節(134小節目~141小節目)のTromboneはユニゾンで、さらに4回のグリッサンドがあります。全てB音を目指すので技術的な問題は少ないかもしれませんが、音の移動のタイミングを揃えるのは難しいと思います。ユニゾンなので、音程のリスクを考え、奏者を減らすのも一つの方法だと考えます。

・練習番号K の1~8小節(134小節目~141小節目)のTromboneのユニゾンに対しFlute・Piccoloは2声、Clarinetは3声の動きになっています。この3種のパートに加え、低音とPercのバランスを整えてください。

・練習番号K の7小節目(140小節目)でcrescをしているのは低音・Clarinet・Percussionだけです。Tromboneのユニゾンに音量が追いつくように奏してください。

・練習番号K の9~12小節(142小節目~145小節目)は、Clarinetがユニゾンに変わりTromboneが3声になります。2オクターヴの開きのあるメロディラインに次いでClarinetの音量があり、その下を3声に分かれたTromboneというバランスを作っていくと良いでしょう。

・練習番号K の12小節目(145小節目)の4拍目からのTrumpetはユニゾンです。HornとSaxophoneは2声になっているので、適正な音量を考える必要があります。

・練習番号K の13、14小節(146、147小節目)、Horn・Saxophoneが3声になるところでTrumpetは2声です。Tenor Saxophone・Horn.4のパートにTrumpetはないので、響きの調整をしてください。

・練習番号K の15小節目(148小節目)1拍目、何故かSaxophoneのみがG音のユニゾンです。Clarinet.3だけがB音、Horn.3とTrombone.2の2パートがC音でG音は多数あるため、人数の調整が必要と思います。

・練習番号K の15小節目(148小節目)の最後の和音は減三和音が連続します。練習番号K の16小節目(149小節目)にGmに解決しますので、スッキリと響かせることを目指してください。

練習番号L(150小節目)~練習番号M(165小節目)まで

※ここはアンサンブルの面でも音程も、特に注意が必要な部分です。
・Flute・Piccolo・Es Clarinetのメロディ、Clarinetの和音、Bassoon・Bass Clarinetの低音部、Percussionという構造です。気を付けたいのは、Clarinetの和音の転換の瞬間に間髪入れずPercussionの発音をしたいという点です。ズレないように注意深く練習してください。

・練習番号Lの4小節目(153小節目)の1拍目のメロディは非和声音です。4拍目でClarinet.1が延ばしていたC音に揃えていくわけですが、ここで濁りが出ないよう注意深く音程を整えてください。

・練習番号Lの8小節目(157小節目)のメロディのF音で4声の響きになります。練習番号Lの7小節目(156小節目)の後半からややdim気味に処理すると合わせやすくなります。

・練習番号Lの12小節目(161小節目)の1拍目のメロディは、Clarinet.2のA音とぶつかります。ここは濁った印象があるでしょうが、次の和音の解決を美しく整えれば問題ありません。

・練習番号Lの15~16小節(164、165小節目)のHorn・Tromboneの和音は、特にTrombone.2のAs音⇒G音の移動を大切にしてください。この時木管とTrumpetはユニゾンになります。強くなり過ぎないように、また音程のリスクを回避するために人数調整をした方が良いと思われます。

練習番号M(166小節目)~練習番号N(178小節目)まで

・Flute・Piccolo・Clarinet・Saxophone・Trumpetは、ユニゾンの後すぐに3声になります。16分音符の個所が2回ありますが、ここだけは2声です。16分音符の瞬間にバランスが崩れないように気を付けてください。Glockenspielと16分音符を合わせることも重要です。

・Trombone.2の音がB音からA音に変わるところが4ヶ所あります。この変化が明確に聴こえるようにバランスを作ると響きが良くなると思います。

・練習番号M の6小節目(171小節目)は和音が3等分された形で出てきます。最後の和音は減三和音です。特にこの和音と次の音への解決の部分でcrescを広げると流れが良くなるでしょう。

・練習番号M の7~8小節(172小節目~178小節目)は多くのパートがdecrescする中で、低音部とPercは山を感じさせるディナーミクになっています。この山がしっかり聴こえるように整えてください。

・練習番号M の11~12小節(176、177小節目)のcrescについてです。グリッサンドの入るHorn・Saxophoneは練習番号M の11小節目(176小節目)で大きなcrescが入ってしまいます。練習番号M の11小節目(176小節目)のcrescはこの2パートに任せ、練習番号M の12小節目(177小節目)に他のパートがcrescを受け継ぐ形(特に低音部)だと計算されたcrescを演出できます。

練習番号N(178小節目)~最後まで

・3回ある木管のトリルは、いずれも記譜された音で終わった方が良いと思います。次の音にスムーズに移動できることを最優先に考えてください。

・練習番号Nの1、3小節目(178、180小節目)は和声的に、2、4小節(179、181小節目)は4声の和音になっています。和声的な1、3小節目の音程に気を付けて、響きの差を明確にすると良いでしょう。

・練習番号Nの5小節目(182小節目)は4声からいきなり2声になります。下の音の人数が少なくなっていますが、上下のバランスをほぼ同じにした方が解決した感が得られるでしょう。

・練習番号Nの5小節目(182小節目)の4拍目のBongoと木管のトリルのタイミングを合わせることに気を付けてください。

・練習番号Nの7小節目(184小節目)の終わり方が困難です。木管の16分音符、8分音符の連続のパート、Trumpetのタイ、Trombone.1、2のグリッサンド、Percussionと異なる終わり方であることが困難にしています。特にTrumpetやBass Drumの音が残りやすいですし、Tromboneや木管も遅れてしまう可能性が高いです。8分音符のパートを基本に、入念に終了させる練習をしてください。切れ良く次のEuphoniumのソロに繋げたいところです。

・練習番号Nの9小節目(186小節目)、複雑な和音が3つ続きます。Percussionとのタイミングをしっかり揃え(特に6拍目のリムショットはできるだけ抜けるような音量の上で揃えたい。)、最後のG音のユニゾンに繋げましょう。G音は確実に音程を整えてください。音程を合わせるために多少人数を減らしても良いと思います。Percussionは練習番号Nの9小節目(186小節目)と最後の小節の音量をはっきりと変えてください。全体としてsffzを明確にする必要があります。

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2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」~第3回・楽曲分析・解説

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練習番号F(73小節目)~練習番号G(80小節目)まで

・Trumpetが加わり、厚くなった練習番号Fの5~7小節目(77小節目~79小節目)の頭を除いて、メロディラインはユニゾンです。音程を整えるために人数を整えることが必須になると考えます。

・練習番号F の2小節目(74小節目)の2拍目は、伴奏を入れてもFとD音だけです。音量の差をなくす努力をしてください。Alto Clarinet、Saxophoneは2拍目の裏でB音を奏します。丁寧に和音を作ってください。

・練習番号F の4小節目(76小節目)の2拍目はF7のコードですが、C音が省略されています。やはり丁寧に和声を作りましょう。

・練習番号F の4小節目(76小節目)の2拍目は、多数の楽器のフォルテの4分音符の中、Timpaniのみがcresc.になっています。6小節目(78小節目)のcresc.もSus Cymbalだけです。このcrescの動きをしっかりと聴かせてください。

・Timpのcrescを受けて、メロディラインはユニゾンから2声に変化します。練習②を用いてバランスを取ってください。ユニゾンより盛り上がりが感じられないようでしたら、練習①で調整しましょう。

・練習番号F の7小節目(79小節目)冒頭のB♭のコードはF音がTrombone.3とEuphoniumのみです。増強が必要になります。

・練習番号F の7小節目(79小節目)のSnare Drumの3連符は木管と合わせることが困難です。丁寧に練習してください。

練習番号G(81小節目)~練習番号H(96小節目)まで

・全体的にメロディラインがユニゾンになっています。音量を求められる部分ではありませんので、音程には細心の注意を払ってください。練習①の考え方が必要になると思われます。

・メロディより低音の動きが細かいことも特徴です。レガートな性質を壊さないよう丁寧な発音が求められます。

・Horn・Saxophoneの和声は、最初の2小節に動きがありません。低音部が和声の核になっています。ここは、メロディを抜いた状態で和声の流れを練習してください。

・練習番号G の4小節目(84小節目)の2拍目は、当初根音のEs音を抜いた形で始まり、拍の裏でメロディラインが入れる形です。Es音が美しく加われるかどうか、繰り返し練習してください。

・練習番号G の5小節目(85小節目)も属音のF音が抜けています。B♭のコードが作れているのか、しっかり確かめてください。

・練習番号G の6小節目(86小節目)もEs音が抜けた形で始まり、2拍目に低音が加えます。第3音ですので、綺麗に合わせることが困難です。繰り返し美しい響きを探ってください。

・練習番号G の2~8小節(82小節目~88小節目)のSnare Drumは、唯一16分音符の動きです。荒く聴こえないように、しかし埋もれてしまわないようにバランスを取ってください。

・練習番号G の8小節目(88小節目)の2拍目は、B音とD音しかありません。D音はAlto Saxophone.2とHorn.1&3のみです。バランスに気を付けましょう。練習②でB音の調整をすることも必要かもしれません。

・練習番号Gの9小節目(89小節目)からは、メロディユニゾンに対しTrombone・Euphoniumに木管低音を加えた3和音にBass ClarinetとTuba・Contrabassの低音の動きという構成です。メロディパートの人数調整で、それぞれのパートがバランスよく加われるよう調整してください。

・練習番号G の10小節目(90小節目)と13小節目(93小節目)の2拍目の裏はF・As音のみの2声になっています。2声の響きをしっかり確認してください。

・練習番号G の13小節目(93小節目)はEsとG音の2声です。2拍目はTromboneとEuphoniumの和声が重なりますが、B音が少ない形になっています。響きの練習を欠かさないようにしてください。

・練習番号G の14小節目(94小節目)の2拍目裏の低音の16分音符は曖昧にならないように気を付けてください。

・練習番号G の15小節目(95小節目)はB・F音のみで始まります。1拍目裏からHornのリズムがありますが、D音はHorn.3のみですので、バランスの取れる音量を考えてください。

・練習番号G の16小節目(96小節目)の音量変化は、TimpaniとSus Cymbalだけです。明確なcrescを心掛けてください。

練習番号H(97小節目)~練習番号I(112小節目)まで

・Flute・Oboe・Clarinet・Trumpetのメロディは練習番号Hの15小節目(111小節目)で2声になるまでユニゾンです。Alto Clarinet・Saxophone・Hornの対旋律は練習番号H の15小節目(111小節目)で3声になるまで2声、後打ちのTromboneは基本3声ですが1小節目、4小節目1拍目、9小節目1拍目だけ2声になっています。低音パートのユニゾンを加えた4つの要素それぞれでバランスを取り(練習①及び③)その後合奏して各部分同士の響きを比較してください。

・練習番号Hの10小節目(106小節目)の2拍目はAs⇒G音の動きが多くHorn.1&3とAlto Saxophone.1&2だけのE⇒F音の動きが聴こえにくくなっています。

・練習番号Hの11小節目(107小節目)の2拍目頭はEsとB 音しかありません。音量が強くなって際立ってしまわないか注意すべき場所だと思われます。

・練習番号Hの15~16小節(111~112小節目)のTrombone.3 のG音は和声を重くしてしまう可能性があります。軽く奏させた方が良いと思われます。

・練習番号Hの16小節目(112小節目)の2拍目の4分音符は、全体が3声になっています。mfからfへの力強くなるはずの音が効果を出せるようにしっかり響かせてください。

第4回の楽曲分析&解説は今しばらくお待ちください。

さらにスキルアップしたい奏者のみなさんへ坂本文郎氏の作品一覧はこちら

2019年 吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ.「道標の先に」~第3回・楽曲分析・解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅳ.行進曲「道標の先に」の分析、解説です。

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練習番号F(91小節目)~練習番号G(94小節目)まで

・最初のHorn 3・Trombone 1のD音は強く吹かせない方が和声の響きが綺麗になるでしょう。

・練習番号F の3小節目(93小節目)の4拍目の和音は、Es音がTrumpet 2とTrombone 1にしかありません。Saxophoneは1stのA音を除いて全員F音と、ちょっと理解できない作りです。。。

・練習番号F の4小節目(94小節目)の4拍目からの付点4分のdecrescは、かなり人数が少ないようです。アタックをかなり強くしないと、その前のfとのバランスが取れないでしょう。

練習番号G(95小節目)~練習番号H(110小節目)まで

・メロディユニゾンの人数は減っていますので音程のリスクは少なくなっていますが、Tenor Saxophoneはあまり得意とは言えないC音が多いなど問題点も多々あります。気を付けてください。

・ここは全体的にHornの和声に注意を払うのが練習の中心になると思います。練習番号Gの2小節目(96小節目)の Horn 3rdのD音や練習番号Gの3小節目(97小節目)の3~6拍目のC音、Horn 1stの練習番号Gの4小節目(98小節目)5~6拍のF→Es音の移動(これは強調するべき音)など、すべての小節に強調するべき音がありますが、バランスが悪いと思います。2ndと4thは同じ音です。4人いたら素直に分けるよりも、少なすぎると思われる音を専門にフォローするパートを作るなどの工夫をした方が良いでしょう。どの音が薄いかという判断ですが、メロディや低音に同じ音があるかどうかをポイントにしてください。

練習番号H(111小節目)~練習番号I(126小節目)まで

・ここのTromboneは練習番号Gの時のHornの役割と同じです。音楽の盛り上がりを考えたのでしょうが、4声の連続で時に5声にもなるなど、かなり散らかった印象です。全部を解消しようと思うと途方に暮れるかもしれません。その時は、例えば1stの練習番号Hの4小節目(115小節目)の5拍目からのF→Es→Dの移動、練習番号H の6小節目(116小節目)のD→Des→Cの移動など音の変化の部分を協調してください。

・練習番号H の1~8小節(111小節目~118小節目)のメロディラインは2声になります。下の声部がやや少ないので調節してください。この時、メロディ2声部と違う音のTromboneは3声部目や4声部目の和音を作っています。どの音なのかを見付けてください。

・練習番号H の6小節目(116小節目)の4拍目はTromboneの和音がメロディの2声部とまったく一致しておらず、全部で5声部もあります。

・また練習番号H の8小節目(118小節目)の4拍目から練習番号H の16小節目(126小節目)までは3声になります。メロディだけですとバランスは悪くないのですが、やはりTromboneの音との違いを探してください。Tromboneしか演奏していない音が多々あります。ほとんど4声か5声になっていますので、見付けられると思います。

・練習番号H の14小節目(124小節目)にあるEs音は隠れてしまわないように気を付けましょう。特に4拍目からのこの音はメロディのD音やバスのF音とぶつかりますが、躊躇せずに鳴らす方が良いと思います。

・練習番号H の15小節目(125小節目)でやっと3声の素直な和音が響きます。ここで開放感が得られるように、しっかり響きを作ってください。

・練習番号H の16小節目(126小節目)の4~6拍目の低音は、ユニゾンです。そこまでfで全員が演奏した後のffですが、かなり人数が減ります。それでも力まず音程を合わせてください。

練習番号I(127小節目)~練習番号J(142小節目)まで

・練習番号Iの部分にある木管群のトリルはトリル後に8分休符があります。同時に同じ音でトリルが終了できるように気を付けましょう。

・練習番号I の2小節目(128小節目)のTrumpetは2nd・3rdにF音が点在します。この音が4声部目を作っていますので、丁寧に響くよう練習してください。

・練習番号I の2、6小節目(128、132小節目)のグロッケンは木管とのズレがないよう気を付けてください。

・練習番号I の4小節目(130小節目)の3拍目のTrombone 1のDes音は単独です。多数のEs音に消されないよう心掛けてください。

・練習番号I の4小節目(130小節目)の4~6拍目のAs→Ges音の動きが強すぎます。特にEuphonium・Trombone 2・Tenor Saxophone・Alto Clarinetはオクターブ高いので、単独のTrombone 1のC→B音やTrombone 3のF→Es音の動きを殺しかねません。これらのパートは弱めにバランスを取った方が良いと思われます。

・練習番号I の7小節目(133小節目)のTrombone 1のDes音は、2拍目以降抑えることで響きが得られると思います。逆に練習番号I の8小節目(134小節目)のTrombone 1・3の3拍目からの動きは、それ以外のパートが全てC→B→As→Gesの動きですので、しっかり響かせてください。

・練習番号I の9~13小節(135小節目~139小節目)のAlto Clarinetの音は必須です。楽器がない場合は必ずClarinetの4パート目を作ってください。

・練習番号I の13小節目(139小節目)の4~6拍のAlto Saxophone 1とHorn 1のDes音は4声部目を作る大切な音です。人数が少ないので、響きの確認をしましょう。

・練習番号I の14小節目(140小節目)の1拍目のHorn 3のB音も4声部にあたる音ですが、なぜかここにしかありません。

・練習番号I の13~14小節(139、140小節目)は低音部のcrescを他のパートよりしっかりかけて、特に14小節目(140小節目)の4拍目のE音が強調されるようにしてください。

・練習番号I の15小節目(141小節目)の1・4拍目と16小節目(142小節目)の1拍目はF音がかなり強いです。Trumpet 2・3とHorn 2・3・4のC・A音を負けないように響かせてください。

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2019年吹奏楽コンクール課題曲Ⅱマーチ「エイプリル・リーフ」~第3回・楽曲分析・解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅱマーチ「エイプリル・リーフ」の分析、解説です。
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Point.5 頭打ちと後打ち

1.頭打ちは、練習番号Dで4分音符に変化する点とTrio及び練習番号GでBassoonが抜ける以外は、すべてBassoon・Bass Clarinet・Bariton Saxophone・Tuba・Contrabassが担当しています。練習番号DはHornが担当する後打ちのリズムに変化(1,2拍目にシンコペーション)があるために4分音符になっていると思われます。Hornの 1拍目裏の4分音符の長さをしっかりと表現してください。低音はそのための4分音符への変化だと思います。Trioからの変化は、単純にBassoonがなくなっただけでしょう。音量を少し抑えたいのだと考えます。Tubaが複数あるような団体は人数調整をして対応しましょう。
また、Bass DrumとCymbalsにも注意を払ってください。Bass Drumは常に同じ形ですので、Cymbalsの有無やリズムが曲の変化に影響を与えます。

2.後打ちは、練習番号A、B、E、F、HをTrombone、練習番号D、Trio、G、K、LをHornが担当しています。
注意する点は主旋律や副旋律グループの厚さと強弱です。両者ともユニゾンで動く場面が多いため、曲の和声を担当するのはこの後打ちパートのみになります。従って三和音が響かないと和声がなくなってしまいます。二つのグループの音量に対抗して、それぞれ1本しかない和音の後打ちを聴かせなければなりません。主旋律が和音になっている部分は少ないので、後打ちで作る和声は重要な存在になります。他パートと比較して和音の響きが十分に聴こえるようにバランス調整してください。

Point.6 副旋律

・該当場所は、練習番号B(Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Horn・Euphonium)、練習番号D(Bassoon・Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphonium)、練習番号F、H(Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Horn・Euphonium)、練習番号K(Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Trombone・Euphonium)です。見ていただくとわかるように楽器の変化もほとんどありませんし、すべてユニゾンの形です。主旋律との比較での音量のバランスと音程を、人数の調整によって整えてください。

課題曲Ⅱ.マーチ「エイプリル・リーフ」 第4回の楽曲分析をお楽しみに!!

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2019年度 吹奏楽コンクール 課題曲Ⅰ「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲~第3回・楽曲分析・解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅰ「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲の分析、解説です。

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練習番号H(102小節目)~練習番号I(109小節目)まで

・練習番号Hの1、3、5小節目(102、104、106小節目)のTriangleは、直前のSus CymbalやSleigh Bellの音を受けて、音量に注意して鳴らしてください。特にSleigh Bellとは重ならないようにSleigh Bellの止め方に注意が必要です。(低音部のセブンスを構成するB音と一緒です。次のAs音に被らなければいいと考えます。)

・練習番号Hの1~4小節(102小節目~105小節目)のTrombone、練習番号Hの5~8小節(106小節目~109小節目)のHorn・Euphoniumの和音は練習番号Gと違って素直な和声進行になっています。不安定な和音のG部分から素直な和音になりますので、低音部に乗せて、丁寧に響きを作ってください。

・練習番号Hの2、4小節目(103、105小節目)のFlute・Piccoloのトリルは終わる音を統一して、次の小節にかぶさらないよう確実に1拍のみにしてください。

・練習番号Hの5~8小節(106~109小節目)のFlute・Piccolo・Es Clarinet・Clarinet. 1stはユニゾンです。また、Clarinet.2&3・Alto Saxophone 1&2の16分音符の動きも練習番号Hの8小節目(109小節目)の4拍目で2声になるまでユニゾンです。Horn・Euphoniumとのバランスも考えて、人数を減らすことで音程のリスクも減らせると思います。

・練習番号Hの8小節目(109小節目)のcrescは、Clarinet・Saxophoneが2声になる4拍目にしっかりかけると効果的でしょう。

練習番号I(110小節目)~練習番号J(119小節目)まで

・練習番号I からのメロディラインはユニゾンで始まります。練習番号I の3小節目(112小節目)3拍目から2声になりますので、ユニゾン部分は人数を減らしていた方が処理しやすいと考えます。この時のAlto Clarinetは最初の4小節をClarinet.4として処理した方が良いと思います(2小節目1拍目裏のC音は出ませんが、それは飛ばしてもフォローした方が良いでしょう。)が、2声になった時、Flute.2・Clarinet.3・Trumpet.3で演奏される下の音は、かなり少ないので調整した方が良いでしょう。

・練習番号I の2、4小節目(111、113小節目)の4拍目裏のPercussion(4小節目はSnare Drumのみ)は、メロディの動きが止まった時のアクセントになることを意識してください。

・練習番号I の5小節目(114小節目)のメロディは、1拍目裏からの3連符のリズムに負けないバランスで演奏してください。

・練習番号I の5~8小節間(114小節目~117小節目)もメロディの2声体は変わりません。特に5~6小節(114~115小節)は下のパートの音域が低いので、しっかりとフォローした方が良いでしょう。

・練習番号I の7小節目(116小節目)からのPercussionのcrescは、8小節目(117小節目)1拍目を頂点としてその後decrescすると意識を共有してください。

・練習番号I の8小節目(117小節目)はdecrescが難しいと思います。3~4拍目をritのポイントにするとdecrescもritもやりやすくなります。

・練習番号I の9小節目(118小節目)のTriangle、さらにそれに続く10小節目(119小節目)のSus Cymbalはdecrescの結果と考えてください。Sus Cymbalの音が全体の音量の谷底となり、続いてClarinetと低音パートのcresc・decrescという流れが自然だと思います。

2019年吹奏楽コンクール 課題曲1.「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲 第4回の楽曲分析をお楽しみに!!
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