坂本文郎氏による2019年 吹奏楽コンクール課題曲 分析・解説

全日本吹奏楽コンクール課題曲分析2019年/坂本文郎

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坂本文郎氏による2019年度 吹奏楽コンクール課題曲の楽曲分析をお届けいたします。
指揮者から見た楽曲分析、練習方法等を記載しております。

坂本文郎プロフィール

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課題曲1 「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲

課題曲2 マーチ「エイプリル・リーフ」

課題曲3 行進曲「春」

課題曲4 行進曲「道標の先に」

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2019年 吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ.「道標の先に」~第2回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅳ.行進曲「道標の先に」の分析、解説です。

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練習番号C~D(43小節目~58小節目)まで

・練習番号Cの1、2、5、6小節目(43、44、47、48)のPiccolo、Flute、Es Clarinetのトリルは16分音符にすると記譜されていない音で終わります。記譜された音で終えたい場合は、最後を8分音符にするとよいでしょう。いずれにしても、終わる音を揃えることが大切です。

・低音ラインのメロディの1、2、5、6小節目(43、44、47、48)小節目のそれぞれ3拍目の音は、跳躍進行しているため聴こえにくくなりがちです。確実に音が出るよう、しっかり練習してください。

・練習番号Cの3小節目(45小節目)と7小節目(49小節目)の4拍目からの5連符は、グロッケンと合わせるのが難しいでしょう。FluteとEs Clarinetの練習に必ずグロッケンも加えて練習してください。

・練習番号Cの8小節目(50小節目)4拍目から4声が多用されます。付点音符で音を延ばすパートが4声ですが、他のパートの動きを考えた時、発音の瞬間に1パートしか演奏していない部分があります。この時に音が隠れてしまわないように注意してください。

※例えば11小節目(53小節目)のAlto Saxophone 2のH音は低音のC音とぶつかるため、注意したいですね。

・練習番号Cの9小節目(51小節目)からのFlute・Oboe ・Es Clarinetの動きの中でFlute 2だけが他のパートと違います。バランスがかなり悪くなると考えられますので注意してください。
・練習番号Cの10、12、14小節目(52、54、56小節目)3拍目のClarinetとSnare Drumは、音の終わりに響きを残さないようにしましょう。Bass Drum・Cymbalsと重ならないようにしてください。

練習番号D~E(59小節目~74小節目)まで

・練習番号Dの1~7小節間(59小節目~65小節目)の注意事項は練習番号C~Dの注意と同じです。

・練習番号D の8小節目(66小節目)頭の和音はG音が多すぎます。これに対するD音、H音はClarinet 2&3とTrumpet 2&3だけです。共に1stがG音をより高い音域で吹いているため、全体的に響きを作るのが難しくなっています。それぞれ1stには1本残せば十分ではないでしょうか。

・装飾音の後の音を揃えたいのは冒頭と同じですが、練習番号Dの9、11小節目(67、69小節目)の場合はSnare Drumの装飾音もそろえなければならないところが難しく、10、12小節目(68小節目、70小節目)はAlto Saxophone・Hornの音と被らないようにするなど、細かい点に注意が必要です。また10小節目(68小節目)はFlute 2の音が少なく音も低いためバランスを取らなければなりません。

・練習番号Dの13、14小節目(71小節目、72小節目)のトリルは練習番号Cと同じ考え方をしてください。16小節目(74小節目)のトリルは次の音が跳躍したF音になりますので、最後を8分音符で処理して記譜された音で終わった方が良いでしょう。

・練習番号Dの16小節目(74小節目)のTrombone 3は、響きを殺してしまう可能性があります。あまりcrescさせない方が無難でしょう。
・練習番号Dの16小節目(74小節目)のfpは、無理してf部分を鳴らさない方が良いでしょう。木管や低音のアクセントに合わせる程度にして、2拍目がしっかりpになるようにしてください。4拍目にトリルが入ったタイミングでcrescしていくと効果的でしょう。

練習番号E~F(75小節目~90小節目)まで

・練習番号Eの8小節目(82小節目)の頭まで、再び厚いメロディのユニゾンがあります。8小節目(82小節目)後半が2声に分かれ、9小節目(83小節目)からは3声に分かれる事を考えると、あまり強く演奏はできません。実際のメロディラインを奏する人数が1/2、1/3と減っていくからです。和音が広がるにつれて演奏も広がるイメージで作曲されているのだと思いますが逆の効果になりがちです。最初は音程重視で少ない人数でfを演奏し、徐々に人数を増やした方が良いと思います。また、対旋律やTromboneのリズムとのバランスも取れるでしょう。

・練習番号E の9小節目(83小節目)2、3拍目はTromboneとSnare Drumの音だけがクリアに聴こえるように、1拍目の音の処理に気を付けてください。

・練習番号E の8小節目(82小節目)4~6拍目はClarinet 3とAlto Saxophone 2の音だけが、低音と同じF音で始まります。人数的にA音から始まるパートと響きを作るのが困難です。私はClarinet 2はF音スタートにした方がバランスはとりやすいと思います。

・練習番号Eの8小節目(82小節目)4拍目のTrombone 1のEs音はたった一人でセブンスの和音を担っています。しっかり強調できるように工夫してください。

・練習番号Eの9~12小節間(83小節目~86)はFlute・Oboe・Clarinet・Alto Saxophone・Trumpetという多数のメロディ群に対し、Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの対旋律、Tromboneの和音、Hornのリズム、低音群があります。このバランスに注意を払ってください。特に9小節目(83小節目)6拍目のD音はHorn 1とTrombone 1しか演奏していませんし、11小節目(85小節目)4~6拍目のA音はHorn 3とTrombone 3にしかありません。
・練習番号E の12小節目(86小節目)6拍目の8分音符は、全体のcrescの上アクセント付きで演奏したいのに、Snare Drum以外の管楽器は4声帯になり、しかもかなりの人数減になっています。アクセントのつきにくい形です。Snare Drumのcrescを効かせる等、工夫してください。

・練習番号E の13小節目(87小節目)の8分音符の連続は3声で一緒に動いています。うまく吹けない奏者は、2拍目か3拍目をカットしてあげると吹きやすくなります。

・練習番号E の14小節目(88小節目)4拍目の付点4分は、Tenor Saxophone・Horn 3・Trombone 3・EuphoniumのC音が高い音域になっています。このC音は同じ音域のB音を邪魔しないようにしたいものです。

・練習番号E の15小節目(89小節目)のTrombone 3のA音も響きを阻害する可能性があります。強い音は避けた方が良いでしょう。

・練習番号E の16小節目(90小節目)4~6拍目の8分音符の連続は、4声で動いているため軽快感を壊してしまいます。C音の連続のパートから一つ音を抜いたり、休ませたりすることで多少解消されます。試してみてください。

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課題曲Ⅳ.行進曲「道標の先に」~第1回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅳ.行進曲「道標の先に」の分析、解説です。

坂本文郎プロフィール※掲載内容の無断転載、商業利用はお止めください。

この曲は、前半がユニゾン主体のメロディと軽めの和音パートで作ってありますが、Trioを越えると四声や五声の和音主体になり、からり整理が必要な印象があります。特にホルンパートは2ndと4thが同じで3人でもできるように思えますが、実際は1パートだけで他の多くの音(パート)に対抗する必要があります。ホルンパートに関しては5~6人の人数が必要と感じます。Trio以降はかなり時間をかけて響きの調整をする必要があるでしょう。

それでは、部分的に区切りながら解説します。

冒頭~A(8小節目)まで

・曲全体に言えることですが、1,3,5小節頭の装飾音は前打音とし、頭の音符の縦の線を揃える練習を確実に行わなければなりません。

・1小節目頭のClarinet 3は装飾音後にG音に戻るため遅れやすいと思われます。Clarinet 1&2にも同じ装飾音がありますので、遅れる場合は装飾音を抜いて練習してみてください。

・2小節目と4小節目のHorn 1の演奏するF音はHorn 1のみです。特に多いG音(2小節目)やH音(4小節目)に負けないように響いているか確かめてください。

・5小節目と6小節目1~4拍目は2パート(2声)に分かれていますが、E音スタートはTenor SaxophoneとTrumpet 3 のみです。同じく4拍目~次の小節1拍目の低音ラインのE音スタートが少なすぎる可能性がありますので、バランスを工夫したいですね。

・曲全体に言えることですが、5小節目と6小節目のトリルは16分音符で演奏させると良いと思います。テンポを考えても十分にトリルに聴こえますし、次の小節の頭の音を揃えやすくなります。特にグロッケンを揃えるのが難しいので試してみてください。

・7小節目の8分音符の動きはユニゾンです。バランスの心配はありませんが、音程のリスクが高くなります。また8小節目の付点2分の和音に広がりを感じさせるための工夫が欲しいです。

練習番号A(9小節目)~B(26小節目)

・練習番号Aの1小節目(9小節目)冒頭の和音は、メロディもF音スタートと考えるとA音やC音を補強する等の工夫が必要でしょう。

・メロディのユニゾンは、先ほども書いたように音程のリスクが高すぎます。音程を整えることを最優先した方がよいと思います。その方がTromboneからHornへ繋がる和音とのバランスがとりやすいと思います。

・TromboneからHornに繋がる和音は、二種の楽器の音量が変わらないように気を付けましょう。

・練習番号Bの2小節前(24小節目)~B(27小節目)までは、Aの2小節前と同じように処理してください。

練習番号B(27小節目)~練習番号C(42小節目)

・メロディのユニゾンの人数がかなり増えます。それに対する対旋律はAlto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの3パートだけ。低音の人数は楽団により異なると思いますが、和音はTromboneのみです。バランスには十分気を付けてください。

・練習番号Bの8小節目(34小節目)4拍目はメロディが2声に分かれます。バランスに気を付けてください。

・練習番号Bの9小節目(35小節目)からはメロディラインが3声に分かれます。音程のリスクは減りますが、Hornの和音になったリズムとAlto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの対旋律は聴こえにくくなります。バランスを整えることに注意を払ってください。

・Tromboneはメロディの3和音と同じような動きになっています。しかし練習番号Bの10小節目(36小節目)のTrombone 2のC音はこの1パートのみです。この音とメロディラインのB音がわかれることで4声になりますので、C音のバランスの工夫が必要です。

・練習番号Bの11小節目(37小節目)4~6拍目は5声になります。ここの濁った感じを緩和するには、低音部に多いA・C・E音の三和音のグループと、高音部に多いG・D音の完全5度のグループを、別々に響きを整え、後から加える方法が効果的です。対旋律パートのD音が邪魔になる可能性はありますが、あまりcrescさせないことで対処してください。※このような部分についてはリハーサルで解決することが出来ます!

・練習番号Bの12小節目(38小節目)1~5拍目は多数のパートが同じリズムです。低い音域のF⇒E⇒Fの動きは全体を鈍重にする原因になります。抑えて吹かせるか思い切って抜いてみてください。

・練習番号Bの13小節目(39小節目)の8分音符のみの動きも、Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの低い音域の動きは軽快感を阻害する原因になりやすいでしょう。

・練習番号Bの14小節目(40小節目)のTrombone 2の音(D、E)は不思議です。1拍目は低音域のC音に近い位置でのD音で、響きを阻害する原因になりますし、4拍目のE音はこのパート以外にありません。C音とDes音がぶつかる濁りを緩和するのにE音は必要な音ですので、強化してください。

・練習番号Bの15小節目(41小節目)のトリルは、16分音符にすることで確実に17小節目の頭をF音に揃えられます。
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