坂本文郎氏による2019年 吹奏楽コンクール課題曲 分析・解説

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坂本文郎氏による2019年度 吹奏楽コンクール課題曲の楽曲分析をお届けいたします。
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2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」~第4回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」の分析、解説です。

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練習番号I(113小節目)~練習番号K(132小節)まで

・練習番号Iの1~4小節(113~116小節)のメロディラインは、2と4小節目がユニゾン(Trpだけは2声)で1と3小節目は3声になっています。ユニゾン部分は人数調整をした方が強調され過ぎないでしょう。

・練習番号Iの1~4小節(113~116小節)のTrombone・Euphoniumと低音の和声は、低音部の順次進行が主役になるようにバランス調整してください。

・練習番号Iの2、4小節(114、116小節目)は、メロディのユニゾンに対してHorn・Saxophoneは2声に分かれています。メロディの人数が多いので、和声感がなくならないようにバランス調整しましょう。

・練習番号Iの2小節目(114小節目)のTrumpet.1はメロディパートから離れて和音を構成しています。4小節目(116小節目)のOboe・Clarinet.1も同様です。この二つのパートの印象が同じになるようにしてください。

・順次進行で動いた低音パートは練習番号Iの5小節目(117小節目)でB音に行き着きます。到達したB音のまま練習番号Kまでその音が連続します。この間、メロディラインもTromboneのリズムも3声を続けます。3声の厚みが続く中、B音だけは全く動きがありません。ここは逆にB音を意識しましょう。ずっと保たれながら聴こえてくる印象が欲しいところです。練習番号Jに来るとTrumpetがB音を補強します。B音ではありませんが、1小節遅れてHornもユニゾンで加わってきます。練習番号Jの5小節目(129小節目)になると、このHornの動きにTrumpetが歩調を合わせます。練習番号Jの6小節目(130小節目)の2拍目からHorn・Trumpetは3声に分かれたパートと同化していきます。和声よりユニゾンを中心に音作りするのがこの部分だと思います。

・練習番号Jの7小節目(131小節目)から始まる管楽器のcrescを大切にしてください。132小節目にPercussionがcrescに加わることを意識しておいてください。Percは弱く入りすぎて加わった印象が薄くならないように気を付けましょう。

練習番号K(133小節目)~L(148小節目)まで

・前の小節から続くcrescの結果としてKではfになります。メロディラインの多くのパートは2声で入りますが、Trumpet、Flute、Oboeだけはユニゾンになっています。このTrumpet、Flute、Oboeと練習番号Lの2小節目(134小節目)からのTrombone、Euphoniumに対応しています。このグループは抜け出して聴こえるようにしてください。Trumpetは練習番号Kの3小節目(135小節目)の2拍目にFluteは練習番号Kの5小節目(177小節目)から2声に分かれますが、Trombone・Euphoniumは7小節目(139小節目)までユニゾンです。これらのユニゾン部分を表に出し、2声、3声に分かれた部分をブレンドさせていくような展開が大切だと思われます。

・練習番号Kの8小節目(140小節目)の1拍目は、Tromboneも3声になりますので、B♭の和声の響きを十分に表現してください。2拍目はB♭音のみのユニゾンになりますので、響き⇒ユニゾンのコントラストを強調してください。

・練習番号Kの9小節目(141小節目)は、A♭の和音の上にE♭の和音が乗るという、今まで構成音が少ない展開で進んできた中での突然の5声になります。次の小節も4声です。響きはA♭とE♭やFmの和音を別々に合わせて、グループ同士を重ねる方法が作りやすいでしょう。響きで推移しますので、より8小節目(140小節目)の2拍目のユニゾンが鍵になります。

・練習番号Kの8小節目(140小節目)のSus Cymbalだけのcrescにも注意しましょう。動きはSus Cymalだけですし、その後のBass Drum・Timpaniの装飾音もクリアにすることで演奏にキレが生まれると思います。

・練習番号Kの9小節目(141小節目)からの突然の多声部の和声の中で、ユニゾンで動くHornも目立たせるようにしてください。

・練習番号Kの10小節目(142小節目)の2拍目裏は、AsとC音に比べF音が特に多くなっています。

・練習番号Kの11小節目(143小節目)からのメロディ群は2拍目にSaxophone以外は2声になっています。Saxophoneだけが3声です。またG音はAlto Saxophne.2だけです。同じ小節で2分音符の動きもG音はTrombone.2にしかありません。複雑だった和声がシンプルな響きに変化する場所ですから、G音のバランスに気を付けて響きを作ってください。

・練習番号Kの12小節目(144小節目)にcrescがあるのはSnare Drumだけです。変化がはっきりと聴こえるように演奏してください。

・練習番号Kの13小節目(145小節目)の1拍目はEsとG音しかありません。拍の裏でHorn.3がB音を奏します。2声の厚い響きに1パートだけで3声目を出しますので、響きを感じるための練習が必要だと思います。

・練習番号Kの14小節目(146小節目)は再び複雑な和音構成になります。D・Es・F音が同時に鳴りますので、全体の響きを作ることは難しくなりますが、それでもメロディラインは2声であり、Trombone・Euphoniumはユニゾンです。15小節目(147小節目)にTrombone・Euphoniumも低音部に加わり、かなり厚いユニゾンになる中、他のパートはB音とD音のみの2声の構造です。Trumpet.2のF音でようやく3声を形成している形です。なるべくこのパートが聴こえるよう増強して方が良いでしょう。

練習番号L(149小節目)~練習番号M(164小節目)まで

・練習番号Lの1小節目(149小節目)の1拍目、大半の楽器がEs音を鳴らす中、G音でスタートするのはFlute.2とClarine.3 だけです。Clarinetはできるだけ多くの人数をClarine.3に集めるなどの工夫をした方が良いでしょう。後打ちではありますが、Horn.3は1パートだけB音を奏しています。可能な限り増強するとともにEs音から始まるパートの人数調整をした方が良いでしょう。(練習②)

・練習番号Lの2小節目(150小節目)からのTrombone・Euphoniumはユニゾンでメロディラインを追いかけています。この2つの要素に音量の差が出ないよう気を付けてください。

・練習番号Lの3~6小節(151小節目~154小節目)は、3声の協和音の連続になっています。ここで確実に響きを作りましょう。練習番号L前の不協和音とこの協和音の対比が重要になります。

・練習番号Lの6小節目(154小節目)は再び4声になります。G音とAs音がぶつかり、2拍目の裏は突然G音のユニゾンになります。コントラストを明確に表現してください。

・練習番号Lの7~15小節目(155小節目~163小節目)のメロディラインは、2声とユニゾンが交錯します。メロディの音量に差が出ると流れが失われますので、練習①で人数調整をした方が良いと思われます。

・練習番号Lの8小節目(156小節目)の音量変化はTriglのcrescだけです。表現はかなり難しいと思われます。2拍目は4声になることと、Snare Drumのロールが加わりますので、特に1拍目のcrescを大切にしてください。

・練習番号Lの10小節目(158小節目)は、メロディがユニゾンになる(かなり多い)にも関わらず、特に後打ちの和音で多声の音楽を作っています。ここをしのぐと11小節目(159小節目)から響きやすい和音が連続します。しっかり和声の響きが聴こえるようにしてください。

・練習番号Lの15小節目(163小節目)の2拍目はEs音⇒D音の流れを重要視してください。和声の他の音は固定されていますので、変化はD音だけになります。

練習番号M~最後まで

・メロディラインは、最初がユニゾン、練習番号Mの3小節目(166小節目)の2拍目で2声に、直後の4小節目(167小節目)で3声になっています。練習①を活用してください。

・練習番号Mの2小節目(165小節目)の2拍目の属7の和声を示すAs音は、メロディのユニゾンに負けないようしっかり鳴らしてください。特にHorn1&3の音が重要です。

・練習番号Mの3小節目(166小節目)のcrescはTimpaniとSus Cymbalだけです。このcrescが表現されるようにするには、勢いだけでffを奏しない方が良いと思われます。

・練習番号Mの5小節目(168小節目)の1拍目のF⇒Es音の変化もしっかり奏しましょう。変化はこのパートだけです。

・練習番号Mの5小節目(168小節目)の2拍目裏のAs音から6小節目(169小節目)冒頭のG音への変化も重要視してください。この曲最後の和声の解決音になります。

・最後の音はEs音のみです。とにかく音程を揃えることが重要です。たとえばAlto Saxophone.2など、音程を揃えることが困難な音は抜く(Tenor Saxophoneで同じ音を奏している)のも一つの方法です。

・最後の音は、Percの前打音をしっかり揃えて強調し、曲の終わりを演出しましょう。

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2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」~第3回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」の分析、解説です。

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練習番号F(73小節目)~練習番号G(80小節目)まで

・Trumpetが加わり、厚くなった練習番号Fの5~7小節目(77小節目~79小節目)の頭を除いて、メロディラインはユニゾンです。音程を整えるために人数を整えることが必須になると考えます。

・練習番号F の2小節目(74小節目)の2拍目は、伴奏を入れてもFとD音だけです。音量の差をなくす努力をしてください。Alto Clarinet、Saxophoneは2拍目の裏でB音を奏します。丁寧に和音を作ってください。

・練習番号F の4小節目(76小節目)の2拍目はF7のコードですが、C音が省略されています。やはり丁寧に和声を作りましょう。

・練習番号F の4小節目(76小節目)の2拍目は、多数の楽器のフォルテの4分音符の中、Timpaniのみがcresc.になっています。6小節目(78小節目)のcresc.もSus Cymbalだけです。このcrescの動きをしっかりと聴かせてください。

・Timpのcrescを受けて、メロディラインはユニゾンから2声に変化します。練習②を用いてバランスを取ってください。ユニゾンより盛り上がりが感じられないようでしたら、練習①で調整しましょう。

・練習番号F の7小節目(79小節目)冒頭のB♭のコードはF音がTrombone.3とEuphoniumのみです。増強が必要になります。

・練習番号F の7小節目(79小節目)のSnare Drumの3連符は木管と合わせることが困難です。丁寧に練習してください。

練習番号G(81小節目)~練習番号H(96小節目)まで

・全体的にメロディラインがユニゾンになっています。音量を求められる部分ではありませんので、音程には細心の注意を払ってください。練習①の考え方が必要になると思われます。

・メロディより低音の動きが細かいことも特徴です。レガートな性質を壊さないよう丁寧な発音が求められます。

・Horn・Saxophoneの和声は、最初の2小節に動きがありません。低音部が和声の核になっています。ここは、メロディを抜いた状態で和声の流れを練習してください。

・練習番号G の4小節目(84小節目)の2拍目は、当初根音のEs音を抜いた形で始まり、拍の裏でメロディラインが入れる形です。Es音が美しく加われるかどうか、繰り返し練習してください。

・練習番号G の5小節目(85小節目)も属音のF音が抜けています。B♭のコードが作れているのか、しっかり確かめてください。

・練習番号G の6小節目(86小節目)もEs音が抜けた形で始まり、2拍目に低音が加えます。第3音ですので、綺麗に合わせることが困難です。繰り返し美しい響きを探ってください。

・練習番号G の2~8小節(82小節目~88小節目)のSnare Drumは、唯一16分音符の動きです。荒く聴こえないように、しかし埋もれてしまわないようにバランスを取ってください。

・練習番号G の8小節目(88小節目)の2拍目は、B音とD音しかありません。D音はAlto Saxophone.2とHorn.1&3のみです。バランスに気を付けましょう。練習②でB音の調整をすることも必要かもしれません。

・練習番号Gの9小節目(89小節目)からは、メロディユニゾンに対しTrombone・Euphoniumに木管低音を加えた3和音にBass ClarinetとTuba・Contrabassの低音の動きという構成です。メロディパートの人数調整で、それぞれのパートがバランスよく加われるよう調整してください。

・練習番号G の10小節目(90小節目)と13小節目(93小節目)の2拍目の裏はF・As音のみの2声になっています。2声の響きをしっかり確認してください。

・練習番号G の13小節目(93小節目)はEsとG音の2声です。2拍目はTromboneとEuphoniumの和声が重なりますが、B音が少ない形になっています。響きの練習を欠かさないようにしてください。

・練習番号G の14小節目(94小節目)の2拍目裏の低音の16分音符は曖昧にならないように気を付けてください。

・練習番号G の15小節目(95小節目)はB・F音のみで始まります。1拍目裏からHornのリズムがありますが、D音はHorn.3のみですので、バランスの取れる音量を考えてください。

・練習番号G の16小節目(96小節目)の音量変化は、TimpaniとSus Cymbalだけです。明確なcrescを心掛けてください。

練習番号H(97小節目)~練習番号I(112小節目)まで

・Flute・Oboe・Clarinet・Trumpetのメロディは練習番号Hの15小節目(111小節目)で2声になるまでユニゾンです。Alto Clarinet・Saxophone・Hornの対旋律は練習番号H の15小節目(111小節目)で3声になるまで2声、後打ちのTromboneは基本3声ですが1小節目、4小節目1拍目、9小節目1拍目だけ2声になっています。低音パートのユニゾンを加えた4つの要素それぞれでバランスを取り(練習①及び③)その後合奏して各部分同士の響きを比較してください。

・練習番号Hの10小節目(106小節目)の2拍目はAs⇒G音の動きが多くHorn.1&3とAlto Saxophone.1&2だけのE⇒F音の動きが聴こえにくくなっています。

・練習番号Hの11小節目(107小節目)の2拍目頭はEsとB 音しかありません。音量が強くなって際立ってしまわないか注意すべき場所だと思われます。

・練習番号Hの15~16小節(111~112小節目)のTrombone.3 のG音は和声を重くしてしまう可能性があります。軽く奏させた方が良いと思われます。

・練習番号Hの16小節目(112小節目)の2拍目の4分音符は、全体が3声になっています。mfからfへの力強くなるはずの音が効果を出せるようにしっかり響かせてください。

第4回の楽曲分析&解説は今しばらくお待ちください。

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2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」~第2回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」の分析、解説です。

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練習番号B(33小節目)~練習番号C(48小節目)まで

・前小節のユニゾンから1拍目は繋がります。低音を除く全ての木管がD音のユニゾンになっていますが、Trumpetだけは3声です。特に3rdのF音は他にありませんので、特に響きに気を付けてください。

・練習番号Bの1~4小節(33~36小節)のAlto Clarinetも必須です。入らなければ三和音を構成できません。

・練習番号Bの1小節目(33小節目)の2拍目からメロディグループは3声になります。4小節目(36小節目)の2拍目からはユニゾンです。練習①の考え方で前後のバランスを調整してください。

・練習番号Bの3小節目(35小節目)の8分音符の連続は、練習番号Bの4小節目(36小節目)冒頭の和音までゆっくり確認してください。4小節目のF-durのコードで解決します。

・練習番号Bの4小節目(36小節目)の2拍目から練習番号Bの8小節目(40小節目)までメロディグループも対旋律のグループもユニゾンになります。音程が揃うことを必須です。

・練習番号Bの8小節目(40小節目)2拍目にメロディグループの中で唯一Trumpet 3のみが2声に分かれます。練習番号Bの9小節目(41小節目)2拍目になるとTrumpetは3声にClarinetは2声に分かれますが、FluteとOboeはユニゾンのままです。メロディの上のラインを目立たせる狙いはあるのでしょうが、楽団の事情次第で2声、3声の響きが得られなくなりますので、練習①でバランス調整をしましょう。特にTrumpet 3は1パートで和声を担いますので、十分注意を払ってください。ただし、練習番号Bの12小節目(44小節目)からはTrumpetも2声になりますので、この限りではありません。

・対旋律のグループもメロディと同じように練習番号Bの6小節目(38小節目)からはユニゾンで、練習番号Bの12小節目(44小節目)に入るとSaxophoneはメロディグループに加わり、HornはTromboneやEuphonium、Tubaと同調していきます。練習①は組み合わせを変えながら行ってください。

・練習番号Bの12、13小節目(44、45小節目)2拍目の金管と低音の4分音符は不安定な和音となっており、次の1拍目の8分音符に解決します。練習番号Bの15~16小節(47、48小節目)のB-durの響きが到達点になるよう、練習④を行ってください。

・練習番号Bの16小節目(48小節目)2拍目頭はF音以外ありません。この拍の裏は2つに分かれますが、下はTrb3だけですので、ユニゾン⇒2声の動きが明確に表現できるように気を付けてください。

 

練習番号C(49小節目)~練習番号D(56小節目)まで

・Flute・Oboe・Clarinetはユニゾンです。主になるTrombone・Euphoniumや低音パートの動きを上回ることがないように、音程重視で人数の調整をしましょう。

・TromboneとEuphoniumはTrombone 3のF音の連続にメロディを乗せる動きになっています。Trombone 3は同じ音の連続ですので強調されやすい音型ではありますが、1パートのみですので和声的な響きになっているのか確認をしながら練習を進めてください。

・木管・Trombone・Euphonium・低音という判りやすい形になっていますが、気を付ける点は音の種類が減る瞬間です。練習番号Cの1小節目(49小節目)2拍目と練習番号Cの4小節目(52小節目)1拍目裏と練習番号Cの5小節目(53小節目)2拍目はF音しかありません。このような場所では、明確にF音のみにしなければなりません。

・練習番号Cの5小節目(53小節目)1拍目はB音のみです。やはり明確な音(音程がとても大切です)B音が求められます。

・2音しかない場所も多々あります。
→練習番号Cの1小節目(49小節目)の1拍目裏(D&F)
→練習番号Cの2小節目(50小節目)の2拍目(C&F)
→練習番号Cの2小節目(50小節目)の2拍目裏(F&A)
→練習番号Cの3小節目(51小節目)の1拍目(F&Es)
→練習番号Cの3小節目(52小節目)の2拍目(F&B)
→練習番号Cの4小節目(52小節目)2拍目(F&C)
→練習番号Cの4小節目(52小節目)2拍目裏(F&Es)
→練習番号Cの5小節目(53小節目)2拍目裏(D&F)
→練習番号Cの8小節目(53小節目)2拍目(D&A)
※2音しかない場合は音量のバランスをほぼ同じにした方が良いでしょう。

・上記のような理由で練習③で和声の進行を確実に行ってください。練習番号Cの7~8小節(52~53小節)のD-durのコードが到達点です。

・練習番号Aの後半は複雑な和音⇒解決和音ですが、ここは少ない構成音の和音やユニゾン⇒解決和音と対称的になっています。この2か所の響きの違いは、比較練習で体感してください。

 

練習番号D(57小節目)~練習番号E(64小節目)まで

・練習番号Dの1小節目(57小節目)のTrumpet 1、練習番号Dの2小節目(58小節目)のAlto SaxophoneとAlto Clarinet、練習番号Dの3小節目(59小節目)のFlute・Oboe・Clarinetと、追いかけるようにメロディがユニゾンで演奏されます。楽器の数が増えると音程のリスクは高まりますが、最初が1本だけなので音程の狂いがわかりやすくなります。練習①の必要性も視野に入れて練習してください。

・練習番号D の4小節目(60小節目)2拍目から突然3声になります。Trumpetが加わりますので音量の問題は少ないと思いますが、チェックは必要です。

・練習番号D の5小節目(61小節目)の1拍目裏からは旋律ラインが2声になります。金管や低音がリズムに加わっていない部分は2音しかありませんので、上下のバランスに気を付けましょう。

・練習番号D の7~8小節目(63~64小節目)のHornのリズムは練習番号Bや練習番号Cの2小節前と同じですが、ユニゾンで演奏される点は対称的です。低音域同じ個所の低音域の音型もユニゾンです。音程に気を付けて他の場所と違うスッキリした音を目指してください。

・練習番号D の8小節目(64小節目)2拍目はF音のみです。これがフレーズの終わりになりますので、確実に濁りのない音を出さなければならないでしょう。

 

練習番号E(65小節目)~練習番号F(72小節目)まで

・Trombone・Euphoniumの動きは、練習番号Cとほぼ同じです。ただ、低音パートの動きの違いに伴って、練習番号Eの6小節目(70小節目)2拍目裏から練習番号Eの7小節目(71小節目)1拍目までのTrombone 3の動きが変わります。違いが明確に判るようにしてください。

・Flute・Oboe・Clarinetはユニゾンです。Tromboneが2声ですので、練習①で適切なバランスを作ってください。

・練習番号Eの1小節目(65小節目)の1拍目、F音はTrombone 3にしかありません。D音もTrombone 1&2とEuphoniumだけです。木管と低音のB音は厚いので、和声感が出るようにバランスを整えましょう。

・練習番号Eの1小節目(65小節目)の2拍目と練習番号Eの4小節目(68小節目)の2拍目はF音だけです。練習番号Eの8小節目(72小節目)の2拍目はA音以外ありません。この時折出現するユニゾンの瞬間を正確に表現することが演奏のキレを生むと思います。

・2音しかない場所もあります。
→練習番号Eの4小節目(68小節目)の2拍目裏(Es&F)
→練習番号Eの5小節目(69小節目)の2拍目(F&G)
→練習番号Eの6小節目(70小節目)の2拍目(A&C)
→練習番号Eの7小節目(71小節目)の1拍目(D&Fis)
※2音しかない場合は音量のバランスをほぼ同じにした方が良いでしょう。

・練習番号Eの1小節目(65小節目)の2拍目裏のB音はHorn 2しかありません。増強してください。

・練習番号Eの3~4小節(67~68小節目)のHorn 3のD音は和声を決定づける重要な音ですが、他にありません。やはり増強が必要です。

・練習番号Eの5小節目(69小節目)の2拍目裏で旋律ラインがF音を演奏します。この時他のパートからはF音がなくなっています。丁寧に奏し、B♭のコードを作ってください。

・練習番号Eの8小節目(72小節目)の2拍目はA音のみになります。強弱記号はmfですので、音程を気にしてください。人数を削って、音程を合わせることを最優先に考えましょう。

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課題曲Ⅲ.行進曲「春」~第1回・楽曲分析・解説

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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ.行進曲「春」の分析、解説です。

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今回、行進曲が3曲ありますが、他の2曲と比較にならないほど質の高い音の整理された曲だと思います。1声・2声の部分が多く、不必要に音が並べられていないので、課題曲でなくても取り組みたいと感じさせる曲です。ただコンクールでとなると、この整理された響きが、かなりの困難を伴うでしょう。難易度がかなり高いにもかかわらず、曲の印象が地味なのが、やや選ぶのに躊躇するところでしょう。和声進行に特に注意が必要です。まずは、和声進行についての練習の方法について述べたいと思います。

ポイント1

まずはメロディの練習方法です。完全にユニゾンの部分、2声の部分、3声の部分がありますが、例えばユニゾン⇒2声⇒3声と和声的になった場合、ピアノならば音が広がっていく印象がありますが、主のメロディを奏する人数が減っていく合奏では逆に萎んでいくケースが多くなります。一つの声部を奏する人数が増えれば増えるほど音程のリスクが高まりますので、広がりを感じさせるためにも声部が少ない時は人数調整をするのが賢明です。(以降、この方法を練習①と表記します。)

ポイント2

メロディが2声体の場合、ClarinetやTrumpetは3パートあるため、上下のバランスに問題が発生します。多くの場合、下のパートは3rdだけになっていますので、ここの人数を増やしてバランスを取りましょう。(以降、この方法を練習②とします。)

ポイント3

ユニゾンや2声の和音が3声になる場所が多く見受けられます。広がりを感じるように2音だけ取り上げて丁寧に響きの確認をしてください。練習①の方法も使えます。(以降、この方法を練習③とします。)

ポイント4

3と練習方法は同じですが、スッキリした和音が続く中に突然5声や6声の複雑な和音が登場します。複雑な和音⇒解決の和音の順で、丁寧に響きの確認をしましょう。(この方法を練習④とします。)

ポイント5

和声が進行する様子を表すのに最も大切なのは、和声を変える音です。同じ音が連続するパートは、目立ち過ぎないように軽く演奏し、音が変わる時はやや広げるつもりでバランスを取ってください。(この方法を練習⑤とします。)

それでは、部分的に解説します。

冒頭~8小節目まで

・最初の8小節は、メロディグループ(Flute,Oboe,Clarinet,A.Sax.1,Tru,mpet)には、ユニゾン、2声、3声部分が混在しています。ここは、練習①で最も良いと思われるバランスを選んでください。特に最初の音はB音のみですので、音程に十分気を付けてください。Alto Clarinetがない場合、Clarinetパートが3声から2声になってしまいます。補充が必要と思われます。

・1小節目のTromboneは少しセーブしないと2拍目のAs音とのバランスが悪くなるかもしれません。また2小節目は3声になりますので、Horn、A.Sax.2、T.Sax.共に和音の広がりの練習③をしてください。

・2小節目2拍目のシンバルは、Snare DrumとBass Drumの装飾音を消さないように注意してください。

・4小節目と8小節目2拍目は、TimpaniとSnare Drumだけのcrescになっています。この変化を際立たせる必要があるでしょう。

9小節目~練習番号A(16小節目)まで

・9と10小節は、Snare Drumのリズムが際立つようにしましょう。

・同じ場所の他パートは全て4分音符の動きですが、低音パートの山型の順次進行が下行形の高音部の陰に隠れないように気を付けましょう。
・11小節目の冒頭は、C音しかありません。音程と1拍目裏からのシンコペーションに負けないバランス、音の長さに気を付けてください。

・12小節目は、メロディグループの2声にTrombone・Hornの3声( 特にメロディグループにない音)が負けないように気を付けましょう。またS.Cym.だけのcrescにも注意を払ってください。

・13~15小節は素直な和声進行です。練習⑤を意識してください。

・16小節目のBDは、soloですので、音質を吟味してください。

練習番号A(17小節目)~練習番号B(32小節目)まで

・17~20(Aの1~4)小節目と25~28(Aの9~12)小節のAlto Clarinetは必須です。Bass Clarinetとその他のClarinetパートと共に3和音を構成しているためです。

・17~20(Aの1~4)と25~28(Aの9~12)小節はメロディグループが3声、21~24(Aの5~8)と29~32(Aの13~16)小節1拍目は2声です。3声部分はB♭Clarinet全員が上の声部のため、バランスに気を付けてください。2声の部分は上下のバランスが大切です。

・19小節目(Aの3小節目)は4声になります。また、解決する20小節目(Aの4小節目)1拍目はF・Aの2音のみです。裏拍からHornとTromboneが入りますが、ここでC音が加わりますので、練習④を行ってください。Horn.1とT.Sax.のEs⇒E⇒F音の流れにも注意しましょう。

・21~23小節(Aの5~7小節)は軽快なリズム感を、それに対して24小節目(Aの8小節目)はレガートなイメージを演出してください。特にBass Drumは8分と4分音符の違いを明確に出したいものです。

・23、24小節(Aの7、8小節)も4声になっています。Horn.1がEs⇒Eの流れからEs音に戻るのが4小節目との相違です。練習④で響きを確かめましょう。

・24小節目(Aの8小節目)は、Es音がHorn.1とT.Saxのみです。バランスに気を付けましょう。

・練習番号Aの後半は、和声の流れがかなり複雑になります。減三和音を含む和音の連続です。練習④の響きの確認は、27小節目(Aの11小節目)から一つ一つしなければなりません。31小節目(Aの15小節目)でやっと解決する形ですので、十分に時間を取って練習してください。

・28小節目(Aの12小節目)2拍目から30小節目(Aの14小節目)1拍目まで、Oboe,Clarinet,Sax,はユニゾンになり、30小節目(Aの14小節目)2拍目から2声になります。練習①が必要です。

・32小節目(Aの16小節目)1拍目裏は無音です。クリアに音のない瞬間を作ってください。

・32小節目(Aの16小節目)2拍目はユニゾンです。ここでのリズムや音程の乱れは許されません。
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