古き森の戦記〜第4回 楽曲分析、解説

お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。

坂本文郎プロフィール※掲載内容の無断転載、商業利用はお止めください。

【練習番号G〜H】
・61〜64小節は、金管低音の和音の上でHorn・TrumpetのSoloとTimpaniが掛け合う形になっています。Timpaniの音の粒がクリアに聴こえるように注意してください。

65小節目のD音、7小節目のCis音はAlto Clarinetにしかありません。フォロー必須です。

・69小節目に入るとEs音とF音が錯綜します。バランスが壊れないように慎重に演奏してください。

・72小節目はAs・C・D・Fisと音の種類が多い中、2拍目からのTrumpetだけがC音のユニゾンになっています。音がきつくなり過ぎないよう注意が必要です。

 

【練習番号H〜I】
・最初の4分音符は、H音がAlto Clarinet・Alto Saxophone 2・Horn 2だけです。
Alto Clarinetがない場合、弱くなりすぎるかもしれませんのでバランスに注意が必要です。

・75小節目アウフタクトからClarinetがユニゾンで入ってきます。
それに対してSaxophoneは和音の形なので、貧弱になっていないか注意した方が良いと思います。
その後7小節目2拍目からClarinet 3だけが3度下を奏し2分割になりますので、少し厚くして和音のバランスを取った方が良いと思います。

80小節目4拍目の金管群でAs音を吹くのははHorn 1のみです。最初はAlto Saxophone 1にもAsがあるのでいいのですが、延ばしている間のバランスが心配です。

・83〜85小節目は、Flute&Oboe、Clarinet、Saxophoneがそれぞれユニゾンの形で演奏されているのに対し、HornとTrombone 1&2のパートだけが4声で書かれています。このパートは多少強調した方が良いと思われます。

・86小節目からの8分音符の刻みは、Bass ClarinetのAsとEuphoniumのCだけが和音を構成しており、他のパートはすべてF音ですんで、和声的に動けるようにバランス調整してください。

・86小節目からSaxophone、Horn⇒Clarinet⇒Tromboneの追いかけるような動きですが、それぞれアクセントがついている16分音符とその後の8分音符のユニゾンは乱暴になりがちで音程を合わせるのが困難です。アクセントにとらわれ過ぎないで丁寧に整えた方が良いと思います。

 

【練習番号I〜J】
・Clarinetはユニゾンと2声が交互に現れます。2声の時はClarinet 3の人数が少ないと思われますのでバランスの調整が必要です。

・95小節目4拍目からの金管の和音はC音が中心です。
G音はHorn 2とTrombone 2、Es音はHorn3,4の2パートですが、Horn 1のAs音は1パートだけです。同様に99小節目はHorn 2のEs音が単独音になっていますので和声のバランスに注意が必要です。

・100小節目3拍目の2分音符、Clarinetはユニゾンの形、Alto Saxophoneはユニゾンから2声、Horn&Tromboneでは、Horn 1が単独のAs音になっています。

以上、第4回の「古き森の戦記」楽曲分析でした。
次回が最終回となります。

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古き森の戦記〜第3回 楽曲分析、解説

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の第3回の分析・解説です。
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【練習番号D〜E〜F】
・36小節目の2拍目はOboeのメロディーとClarinetが、4拍目はClarinet 1,2が半音でぶつかります。音量のバランスに細心の注意が必要です。

37小節目の1拍目のClarinet 2のB音は単独です。G音は多いのでバランスを考えてください。

38、39小節目のAlto Clarinetの音(動き)は他のパートになく、しかもClarinet 3と2重奏になっていますのでAlto Clarinetがない場合はフォローが必須です。

・38、39小節目のSus Cymbalは特にdecrescendoの表現が大切です。

・40小節目〜60節目(練習番号G)までのTimpaniとSnare Drumの掛け合いは音をいかにクリアにするかが重要です。
Solo楽器は別ですが、それ以外の楽器が邪魔をすることがないようにバランスを取ってください。

・45小節目(E4小節目)のFlute 1,2& Piccoloは3重奏の動きで、5小節目はH音にまとまります。
同じくTromboneも最初は3和音で2拍目はH音にまとまります。まとまった最後の音(H音)が強調されないように気を付けてください。

47、48小節目(E7〜8小節)のFlute 2は単独の動きです。音域が低いため埋もれてしまう可能性が高いと思われますので注意が必要です。

 

【練習番号F〜G】
・46小節目からFlute、Oboe、Clarinetの動きとAlto Saxophone・Hornの動きがそれぞれユニゾンです。それに対して53小節目からはTrombone、Euphoniumは2声に分かれています。貧弱にならないように気を付けてください。

・55小節目の4拍目のF音は、木管には多いのですが、金管ではHorn 1のみです。
ここは響きがしっかり作られたうえでTimpaniの細かい動きが浮き上がってくれば成功と考えてください。

・59小節目の和音は慎重に合わせてください。
→Clarinet 2,3のF音とSaxophoneのEsのバランス。
→Trumpet 1,2、Flute、Oboe、Clarinet 1のC音とTrumpet 3、Horn 1,2のB音のバランス。
またdim.の後、60小節目の4拍目にC音とF音が多数になりバランスに注意したいです。

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古き森の戦記〜第2回 楽曲分析

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。

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【練習番号A〜B】
・9小節目からの8分音符の刻みはF音が多すぎます。
逆にAs音はBass Clarinetだけですのでバランスに気を付けてください。
また14小節目1拍目でG音を出しているのはAlto Clarinetだけですので確認が必要です。

・13小節目からのAlto Saxophone 2のF音、Tenor SaxophoneのC音が多くなっています。
 (NGですが。。。この部分の音を入れ替ええると容易に音程が取れると思いますが。。。)

・10小節目からのメロディは、HornのユニゾンとTrombone 1&2との和音に、14小節目からはTrumpetのユニゾンとHorn、Tromboneの和音によるという構成です。
16小節目は木管群が加わります。どの程度メロディを際立たせたいのか試しながらバランスをとる必要があります。

・Clarinetは14小節目からユニゾンで始まり16小節目2拍目から3声に分かれます。
Clarinet 1とE♭ ClarinetはFlute・Oboe・Trumpetと同じ音で人数も多いですので、Clarinet 2&3の音量が必要になります。
この部分はClarinet 2&3が少し厚くなるようバランスをとりましょう。

・17小節目の和音の中でD音はClarinet 2とHorn 2しかありません。
またC⇒Hと動くパートはClarinet 3とHorn4のみですが、G音を吹くパートが多すぎるように感じます。

 

【練習番号B〜C】
・18〜21小節目のAlto Cl.の8分音符の動きは、他に演奏している音(楽器)がありませんのでフォローが必須になります。
この他、T.SaxophoneのG→Fis の動き、Bass Cl.のEs→Dの動きも単独です。少し大きめの音でないと和音が作られないでしょう。

・19、21小節目のTrumpetとTromboneは低い音からの跳躍の動きということを考えるとユニゾンで音程を合わせるのが困難ですので、工夫が必要と思います。

・19、21小節目のClarinet 3は単独の動きです。埋もれてしまわないように注意が必要です。

・19、21小節目のEuphoniumとPercussionのクレッシェンドは、Euphoniumで表現するのは難しいかもしれません困難ですのでPercussionを際立たせた方が良いと思われます。

・22〜25小節目のSaxophoneとHornの3連符は他の木管やTrombone、Euphonium等の動きと同じ音ですので、きついタンギング(アタック)にならないよう注意が必要です。

・25小節目のTrumpetは8分音符の低いC音が難しいですね。分けて演奏するのも一つの方法かもしれません。

 

【練習番号C〜D】
・26小節目からのTrumpet・Horn・Euphonium・Tuba・Contrabass・Timpaniで刻まれるリズムはF音が多い中で、C、As音との和音になります。バランスに気を付けましょう。
ただし26小節目の3拍目はリズムパートの和音にG音が奏されますので、Asとの音のぶつかりに気を付ける必要があります。

・29小節目は多数のGやF音の中、Horn 2&4のCが少なすぎる印象があります。

・29小節目3拍目付点4分と8分休符で書いてあるパート(Trumpet 1,2、Horn、Trombone 1,2、Euphonium)があります。
このC音は4拍目から入る木管のCと重なることが意識されていると思われます。

・30小節目の2&3拍目のAlto Saxophone 2のC音は多数のH音とぶつかります。高音で伸ばしているFlute・PiccoloもC音です。
Fl奏者はそれほど違和感を感じないと思いますが、Alto Saxophone 2は吹きにくいと思います。音は抑えるか、思い切ってカットした方が響きが良くなるかもしれません。

・34小節目は突然A音のユニゾンになります。ここでは濁らない音が必須ですので、調整をしてください。

・34小節目の4拍目からのTrumpet とTromboneですが、Trombone 3だけA音を奏しています。バランスに気を付けてください。

・35小節目の3拍目から低音の動きは、decrescendoの表現とアーティキュレーションが難しくなります。(4拍目裏から人を減らすのは一つの方法かもしれませんね。)

※古き森の戦記〜第3回 楽曲分析をお楽しみに!!

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古き森の戦記〜第1回 楽曲分析

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坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。

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曲の表紙に作曲者が主にイメージを語られていました。塩見さんが最後に述べている「冷静に、丁寧に」という言葉を実現するために、技術的な留意点を中心に述べて行きたいと思います。

全体として留意しなければならない点を、まずは6つ挙げます。

ポイント1
和音が4音で構成されていることがほとんどなので、2度・7度でぶつかる音が多数あります。
このぶつかる音についての処理を丁寧に行わなければなりません。

ポイント2
1.と近いのですが、和音のバランスに注意が必要です。
特定の音が多くの人数で演奏されている時、1パートだけで別の音を出している場面が多々あります。

ポイント3
アルト・クラリネットが必須の部分が数多くあります。
所有していない楽団も多いと思いますが、その時は4パート目のクラリネットとしてB♭に書き直す必要があります。

ポイント4
逆にトランペットはCとFの6小節目4拍目、Kの8〜10小節目以外は2パートで演奏できます。この箇所だけフォローすれば、トランペットが2人しかいない楽団でも問題なく演奏できます。

ポイント5
ユニゾンが多数あります。
しかも音が跳躍しているため、音程を揃えるのは困難です。その部分の工夫が合奏練習で必要です。

ポイント6
5に加えて、金管各楽器に使う頻度の低い低音域が使われています。

 

それでは具体的に見ていきましょう。

【冒頭から練習番号Aまで】
・冒頭と4小節目のTimpaniの3連符は明確に音の粒が聞こえるような演奏を望みます。

・1小節目から、Clarinet1&2,Alto Saxophone 1&2,Euphoniumがユニゾンになっています。
 他パートに比較すると強くなりすぎることが懸念されます。
 また、3~5小節目はEuphoniumとAlto Clarinetが重なっています。
 最初と音質を合わせるためには、Alto Clarinetのフォローが必要です。

・6小節目からのHornの和音は減三和音になっています。
 3音のバランスが等しくなるように練習してください。

・7~10小節目のAlto ClarinetのF⇒Eと動く音はHorn 4と同じです。
 Alto Clarinetがない場合はB♭ Clarinetで和音が作れた方が良いでしょう。

 

※「古き森の戦記」〜第2回 楽曲分析をお楽しみに!!

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坂本文郎氏による2018年 吹奏楽コンクール課題曲 分析・解説

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坂本文郎氏による2018年度 吹奏楽コンクール課題曲の楽曲分析をお届けいたします。
指揮者から見た楽曲分析、練習方法等を記載しております。

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