ドヴォルジャーク

 交響曲第9番『新世界より』の2楽章と、第8番の4楽章が続けてアップされたのですね。
 何か思いをということですので、アレンジのいきさつを書いてみたいと思います。
 新世界の方は、演奏会の企画上どうしても書いてほしいという要望があって書きました。悩んだのは調性です。E-mollというのは若干微妙な調性ですが、1・3・4楽章はそれでも何とか大丈夫と判断しました。しかし、2楽章は転調が複雑で、半音下げた方が良いのかもしれないと思いました。ただ、もし全楽章のアレンジをすることになった時、全ごとのつながりが悪いのが難点です。悩んだ結果、Tempoが遅いこともあるので、原調にしました。合奏してみると、心配していたほどでもなく美しく響いたので、原調でOKと考えています。

 第8番4楽章の方は、以前、販売されていた楽譜を演奏した時に感じた不満が、編曲の動機になっています。
 不満とは・・・①原調G-durから長2度下げられていて、そのせいでメロディの特定の部分だけが1オクターブ上げられていたこと ②シンバルやスネアドラム等が加えられていて、原曲とあまりにかけ離れたイメージになっていたこと ③なぜか12小節だけカットされた楽譜になっていたこと の3点です。とても違和感を感じていたので、次に演奏する時はアレンジしようと決めていました。

 チェコの作曲家の楽譜は、出版社によってかなり違いがあるのは知っていますか?スプラフォンというチェコの会社の楽譜が、今、世界中で信頼されている楽譜です。(現在は、スプラフォン社はドイツのベーレンラーター社に吸収されています。)ドヴォルジャークやスメタナの楽譜は、かなり大きく違いますので、指揮のお弟子さんにはスコアを購入する場合は気を付けるように言っています。
 皆さんも気を付けてくださいね。

管理人さんへ

 このブログが、青山さんと二人だけで話している形なので、少し寂しくなっていました。
 これまで通り、青山さんと音楽の話をするのも楽しいのですが、できればここに楽譜について質問や意見を書いてくれるお客様が来てくれると嬉しいですね。
 今、話題になっていたアンサンブルのアレンジですが、こんな編成でできないか等と云った、わがままな相談があると力が入るような気がします。PC苦手な私は、そんな編曲者と依頼者が直接話せる場が欲しくても、設定の方法がわからなくてお手上げです。
 いかがでしょうか?

アンサンブルのアレンジ

 目論んでる曲があるわけではありませんが、バッハの作品は編成のこだわりを捨ててかけるのが楽しいですね。
 一つのパートを複数の楽器に演奏させるアイデアも、バッハの楽器指定なしという考え方から出たものです。

 それにしても、アレンジの依頼主との話し合いは、可能な限りしたいですね。条件を提示してもらえると、工夫の仕甲斐がありますよね。その条件をクリアしながら、一般的に使えるように考えるのは面白い作業に思えます。
 出版された楽譜に合わせて編成を考えるのではなく、できるだけわがままを言ってもらった方が、編曲にも張り合いが出るっていうものです。

 ここM2プランが、そういうオーダーメイド的な出版社になってくれることを望んでいます。M2プランさん…何かコメントをもらえませんか?

バッハさま

演奏会の模様、さっそく聴いてみました。 諸国百物語は、ちゃんと字幕が入っていましたね。 これならよくわかります。 私達奏者は全体を見ることが出来ないので、「ほほう、こういう風に見えているのね?」と新鮮な気持ちで聴かせてもらいました。
こちらの作品もシリーズ化出来るといいですね。 続編の時はまた初演に立ち会えるのを楽しみにしています。 高校など演劇部と吹奏楽部とのコラボで文化祭などに出来るといいと思いますよ。

さて、こちらのアンサンブルのお話、バッハは確かにザックリいうと”鍵盤楽器で”のような指定の仕方をしている作品がありますよね。 平均律クラヴィーア曲集という邦題の曲集も、実は厳密には平均律とは限らず”よく調律された”という意味だと授業で習った記憶があります。
”この楽器で”とこだわったところで、必ずしもそれを持っている家庭が多くなかったわけですから、より多くの人に楽しんでもらう工夫だったのでしょうね。 さすがはバッハさま!

さて、私達がアンサンブルを楽しみたい時にも同じようなことが起きます。
楽譜通りのメンバー(楽器の人)が必ずしもいるとは限らないのです。
それで今日のところはパスするか、と断念することも少なくないわけで、実にもったいない話ですよね。 急に「読み替えをしてよ。(移調して)」と言っても全員がすぐに出来るわけではありません。 楽器の音域を考えなくてはいけませんが、1パートにつき2つ3つの楽器で出来る可能性があれば、楽しめる幅が広がりますね。 ウォーミングアップなどに良さそうですね。
短めの曲なら出来そうですね、やってみましょうか?
先生はお目当ての曲があるんですか?

楽器指定なし

 演奏会では、こちらこそお世話になりました。満足できる演奏会になったのが何よりでした。
 You Tubeはもう見ましたか?齋藤氏の「諸国百物語」の後半が、まだアップされてないようですが、他はすべて見ることができます。今回の演奏会のプログラムが、早くここのラインナップに加わるといいですね。特に齋藤氏の新曲は、早く世に出したいものです。学校で演劇部と吹奏楽部の共演ができると、学園祭等、盛り上がると思います。そうして、彼に第2弾・第3弾を書いてほしいと願うのは欲張りすぎでしょうか?

 話は替わって・・・オーダーメイドのアレンジ依頼は、ぜひ気軽に注文してほしいですね。力量やわがままな編成の注文を受けて悩むのは、私にとっても楽しい作業の一つです。わがままな編成に合わせつつも、他にもこの楽器で代用ができると考えます。M2プランでアンサンブル譜を出版してもらう時は、一つのパートに、できるだけ複数のパート譜を付けてもらいたいと考えています。バッハの作品によく登場する楽器指定なしという考え方がとても好きなんです。完全にフリーにすると使う方が迷うでしょうから、複数の楽器の可能性を考えて提示したいのです。このような場合は、スコアはinCの楽譜にした方が良いかもしれませんね。1st(Fl or Ob or Cl)、2nd(Fl or Cl)・・・なんて具合にパート譜を作ると、可能性が広がりますね。
 どうですか、青山さん。スコアとパート譜の作成方法を統一して、一緒に取り組んでみませんか?

演奏会など

大分の演奏会はとても楽しかったです。 こちらの楽団ではここ数年、曲の紹介を司会者ではなく数名の演劇によって進められるスタイルを採っています。 クラシックにあまり接したことのない人でも楽に聴けるような工夫で、とても良い方法だと思います。
こういう形にするにはいろんな才能を集めなくてはならないので、どこでも出来るわけではありません。 団員さん達が積極的に取り組んでらっしゃるからこのスタイルが続けられるんでしょうね。 先生もいろんな才能を発揮されてますね? 来年も楽しみにしております。

さて、話は変わって2管編成というのは、そのようなわけで長く普及したんですか。 なるほど・・・。
私は先生も来られる八千代で活動していますが、かなり昔はアレンジする編成を団員に合わせて書いた時期がありました。 けれども、その時先生が「標準編成で書いた方がいいよ。」と助言して下さったのです。 元が標準編成ならば、人数やパートの多少の増減に対応することができますが、あまり不規則な編成で最初に書いてしまうと、他で使うときに対応しづらくなってしまいますからね。 ですからなるべく標準編成で書くようにしています。
ただ、エスクラリネットについては、元々特殊楽器であり音色が特徴的なので、かなり大きい編成もしくはその音色が欲しい時に入れるようにしています。

アンサンブルの場合は、大編成の時とは違って依頼される方の編成にピッタリ合わせて書くことが多いですね。 ほとんどがオーダーメイドになります。
編成もそうですけど、演奏される方の技量なども言っていただければ、なるべくそれに沿うようにしています。 中には結婚式やお別れ会のBGMに、思い出の曲として使いたいという依頼もあります。 大編成に比べて依頼された方の”自分達のための曲”になるので、お得かもしれません。 合わないのを無理やり吹くようなムダがなくなりますから、少なくともそういったストレスからは解放されます。 (初めて宣伝してみました。)
いや、でも冗談抜きに、つまらないストレスからは解放されますよね?
つまるところ、坂本先生も私もそのストレスがあったため、アレンジャーとしての”今”があるんだと思います。(笑)

3パートか2or4パートか

 倍音まで話が発展しましたか。大学生の頃、同じ楽器の友人を誘い、一緒に3度音程でロングトーンをしていたことを思い出します。
 古典が基礎的な力をつけるのは、素直な和音と素直なコード進行がわかりやすく響きを体感させるところにあるのでしょうね。そう考えると、アンサンブルのような小さな編成で、シンプルに和声感を養うのがもっとも勉強になるのだと考えさせられます。
 私は、アンサンブルの編曲依頼をM2プランでわがままに依頼してもらいたいと考えています。アンサンブルなら、アレンジにもさほどの時間はかかりませんし、何より依頼者の様々な要望(編成や選挙区の希望など)を伺って、プランを立てるのが楽しいのです。
 オーケストレーションされた楽曲は、圧倒的に2管編成が多いですね。最近、その理由について考えるのですが、2管だと三和音のすべての音を同一楽器で演奏できません。しかし、それが異種楽器との絶妙な和音を構成し、様々な音色を出現させていることを考えると、最も可能性を感じさせる編成なんだなと思い知らされます。同一楽器で三和音を演奏させると、安定するかもしれませんが面白みに欠けます。
 そんな思いがあって、ブラスアレンジする時も3rdまである編成よりも偶数パートでのアレンジが好きです。私のアレンジにクラリネット4thがあるのも、2パートずつの動きがバランスよく使えるからです。トランペットも2パートがベストなのにと思うことがしばしばあります。2パートの場合、強調したいときにオクターブでのユニゾンが使いやすいのも嬉しい点です。
 さて…いよいよ明後日は大分ウィンドの演奏会です。作曲家の友人に曲を委嘱しましたので、初演もあります。青山さんもこちらに来られますよね。一緒に演奏を楽しみましょう。

アンサンブル

アンサンブルは、少人数でも始められるのが利点ですね。
それに演奏する人達の楽器編成や、技術的な面も相談に乗れます。
アレンジャーとしては、燃えるところでもあります。 そうですよね、先生?

さて、賛美歌をアンサンブルとして活用というアイデア、いい方法だと思います。
読み替えする際、わかる人が側にいれば、学生さんならばすぐに移調できるでしょう。
もう一つお勧めは、私もハマッているリコーダーの活用です。
読み替えの心配はさほどありませんし、木管楽器の殆どの先祖はこのリコーダーですから
管楽器を吹くときの大事なポイントが詰まっているはずです。
もちろん金管楽器にも吹奏楽器の基本は同じだと思います。 (コルネットという楽器はもともとリコーダーから派生したコルネットという楽器の音色に似ていたから、名前を拝借したほどです。)

楽器の抵抗が少ない代わりに、息をまっすぐ入れ続けないとダイレクトに音程に響いてしまう楽器なのです。 進化を遂げた私達の吹奏楽器にも多少言えることで、うまくいかない所は
大概その前に息の量が落ちていることが多いのです。
吹奏楽器は大なり小なりありますが、”吹き続けなくてはいけない”楽器なんですね。
それからもう一つ良い点は、倍音が聞こえやすい楽器なのです。
複数で吹くと、時には出している音よりうるさいくらいに倍音が聞こえます。
このビーンと聞こえている音が気持ちよくハモるように、音程の上げ下げをして音が同時に棒状?に聞こえたらハモった証です。 狭い部屋でやった方がわかりやすいでしょう。
そのためにも、よりシンプルな賛美歌などを使うといいですね。
小編成のアンサンブルをやってから大編成のものをやると、おそらく和音を聞く耳が格段に良くなると思います。
ヴィヴァルディの”調和の霊感”は、バッハのアレンジが美しいですよね。
先生が元の作曲者のではなくバッハのものからアレンジされたのが、よくわかります。
あの曲が後世残ったのも、大バッハ様サマかもしれませんね?
続きは書かれますか?

中高生と古典

 和声の進行、特に和音の連結や限定進行音に話が及ぶと嬉しくなりますね。先日は、古典が楽団の成長には欠かせないようなことを書きましたが、まさに中高生の鋭敏な感覚を持ち合わせている年代に、基本的な和声進行がいかに美しいか体験してほしいですね。
 我々も、少しでも基本的な和声進行が体験できる曲をアレンジして提供できるといいのですが、パーカッションの人数が必要なかったり、トランペットやトロンボーンといった金管楽器の活躍の場がなかったりと、難しい問題が山積みでなかなかアレンジできないのが実情です。
 これをできるだけ解決するために、学校のコーチに行った時は様々な提案をします。例えば、パーカッションの生徒にはコントラバスを兼ねさせないかとか、コラール主体の曲なら鍵盤楽器で別に合奏させても面白いんじゃないかとか…です。
 また、ハーモニーを練習する際に4声の賛美歌を薦めます。これはいいですよ。うまくいっている学校の例ですが、移調楽器の生徒がCの譜面に慣れてくるし、楽譜を書くようにもなってきます。4声しかないので、合奏でもパート練習でも活用できます。それに賛美歌集が1冊あると、様々な曲を楽しめるのが良いです。
 そんなわけで、私自身が古典を書くのは、バッハのオルガン曲をアンサンブルにというのが主体でしょうか。
 今まで、「G線上のアリア」や「音楽の捧げもの」の6声のリチェルカーレ等をアレンジしました。また、バッハがヴィヴァルディの「調和の霊感」をオルガン編曲している作品があるんですが、これが原曲以上に美しい和声進行になっているので、楽器を混合したアンサンブルにしました。バッハは、楽器指定なしという曲が多いのも魅力ですね。
 M2プランにも、アンサンブルの相談を気軽にしてもらえればいいなと思っています。合奏曲と違って比較的短時間で書けるので、指導者の方と打ち合わせをしながら作れますね。本来のアレンジの形が実現できるような気がします。

古典モノ

バッハは八千代でもやっているんですよ。 バッハをやった時に特に感じたのは、指揮者の個人差がかなりあるということでした。 オペラのような歌モノやメロディックな曲調のものは予想がつく範囲でそんなに感じませんでしたが、こういうパーツを積み上げていくタイプの曲は、部品になる動機の扱い方によって全体の印象が全然違ってくるので大変興味深かったです。
ブルックナーもきっとバッハに近い構造を持っているので、すごく違いを感じやすい曲だと思います。 先生のブルックナー4番は、曲の初めからブルックナーらしさをすごく感じるいいアレンジでした。 ぜひともまた演奏したいです。

ブルックナーと言えばチェリビダッケが有名ですよね。 演奏時間が注目されがちですが、ざっくりと言えばこの小さな動機一つのテンポ設定が(彼の意図することによって)他の指揮者より若干遅めなので、曲が進むにつれて結果的に”若干”が”とんでも”になってしまうのだと思います。 (このおかげで、学生のころFM放送を録音していた時には何度泣かされたことか・・・。テープの長さとの闘いでしたからね。)

世代が分かってしまうお話はこの辺にしておいて、古典モノは本当に勉強になります。
和音の移り変わりがとても明快なので、演奏する人達にとって必要な和声感を身に着けることが出来ます。 個人的には中高生くらいの時に古典の作品を学べる(演奏する)機会が必要だと思っています。 基本的な和音の綺麗に響いた状態を、是非とも耳に記憶しておいてもらいたいですね。 そうでないと、さらに複雑な不協和音を美しく響かせることは困難ですから。
美しい不協和音は美しい協和音があってこそ引き立つはずです。 書き手としては、強さや汚さでごまかすことのないよう祈る次第です。

和音に話が少し反れてしまいましたが、和声、つまり和音の連結の仕方に法則があります。
その感覚を体に染み込ませてもらいたいと思っています。
例えば導音を吹いたら半音上の主音を吹きたくなる、といった感覚です。
このように導音の他にも、いくつか必ず次に進む方法が決まっている音を限定進行音と言いますが、それ等が和音をつなげていく上での橋渡し役になるのです。
(ここでの”感覚”は経験を記憶すること、またはしたことであって、決して”雰囲気”ではありません。あしからず~。)

ところでアレンジ希望はバッハのシャコンヌですか? これはまた難しそうですね。
先生ご自身では、古典モノは何をアレンジしてみたいですか?